9位:ベルギー代表
監督:ドメニコ・テデスコ(2年目)
戦力値:82(攻撃力22、守備力19、選手層20、勝負強さ21)
ベルギー代表は2年前のロシアW杯でまさかのグループリーグ敗退に終わり、ロベルト・マルティネス監督の長期政権が終わりを告げた。その後任に就任した若きドミニコ・テデスコ監督の下でチームは復活。今大会が始まる前の時点で、14試合無敗と良い状態でユーロ開幕を迎えたかと思われたが、初戦でスロバキア代表に散々な内容で敗れてしまった。
ベルギー代表の強みは「攻撃力」だ。予選の8試合で14ゴールを決めて得点王に輝いたロメル・ルカク(ローマ)を筆頭に、今季のプレミアリーグで優勝争いを演じたジェレミー・ドク(マンチェスター・シティ)とレアンドロ・トロサール(アーセナル)らワイドの選手たちも戦力が充実している。彼らに決定的なパスを通すケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)やユーリ・ティーレマンス(アストン・ヴィラ)の存在も大きい。
一方で戦力値を「19」とした「守備力」には一抹の不安が残る。本来は正GKとして起用したかったティボー・クルトワ(レアル・マドリード)が、副キャプテンの座を巡る騒動で指揮官との間に確執が生まれてしまったと報じられており選外となった。国際舞台ではGKの重要性が大きいため、世界最高峰の守護神を欠くのは痛恨だ。彼の代わりはクーン・カステールス(ヴォルフスブルク)が務める予定だが、そのほか2人のGKも含めて代表キャップ数は10試合以下と経験不足は否めない。
DF陣の「選手層」にも不安を残しており、ベテランのアクセル・ヴィツェル(アトレティコ・マドリード)を中心にヴォウト・ファエス(レスター)やゼノ・デバスト(アンデルレヒト)ら、比較的若い選手が脇を固める。かつてはヤン・ヴェルトンゲン(アンデルレヒト)とトビー・アルデルヴァイレルト(アントワープ)の不動のコンビがいたが、彼らも大ベテランと呼ばれる年齢となり、後者はすでに代表引退済み。前者は招集メンバーには含まれたが、怪我のために開幕から数試合を欠場する可能性が高い。
総合的には不安要素が大きく、保持時のテデスコ監督の手腕にも疑問符が残る。初戦にてスロバキア代表に敗れてしまったため、まずはグループリーグ突破が最初の目標となるだろう。