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Jリーグ 5か月前

冨安健洋の凄さは映像に映らない。坪井慶介が言語化する2種類の守備「スペースは点を取らない」【元サッカー日本代表のDF論】

シリーズ:コラム text by 舞野隼大 photo by Getty Images

“スペースを埋めているだけで満足している”チームがある


 クロスを上げられた時やCKからのボールには、身体を開いて相手とボールを同一視するために「身体を開きなさい」とはよく言いますよね。ボールウォッチャーになった瞬間、相手に背中を向けることになるので、相手に背中を向けないようにして、前に入られたり、逃げられないようにすることが大事です。

 先月の湘南ベルマーレ対サガン鳥栖の試合では、ゴール前に人はいるのに点を決められてしまうということがありました。湘南はゾーンで守っていますけど、この失点の場面ではボール方向にみんなが向いてしまっていた。

 ディフェンダーに大事なのは“積み重ね”です。起こった結果に対して、今のは寄せにいきすぎたのか、遠すぎたのかとか、寄せた結果どっちにかわされて、その時の身体のスタンスはどうだったのかという経験を蓄えていくところからがスタートですね。

 解説の時によく言ってることは、スペースは点を取らないということです。ゾーンを組んでスペースを消したところから、最後に人とボールをどうするかが曖昧だとやられてしまう。最後は人とボールなんですよ。でも“スペースを埋めているだけで満足している”というチームが今でも見受けられますね。

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