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日本代表 3週間前

「個人的に言えば…」冨安健洋はサッカー日本代表の攻撃的3バックをどう見たのか。W杯へ「結局は選手が…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

「それはうまくできた」と振り返ったプレー

サッカー日本代表の冨安健洋と堂安律
【写真:Getty Images】



「誰が出場するのかにもよりますけど、もし最終ラインの3人だけでシンプルに守るのであれば、その分、一人が守るスペースが増えるというのはあるかもしれない。ミャンマーとシリアとでは力の差もあると思うし、簡単には比べられませんけど、3バックといっても試合のなかで立ち位置が変われば、結局は4バックのように見えるときもある。相手を見ながら自分の立ち位置を変えていく必要があるという意味で、何て言えばいいのかな、3バックだから何かが大きく変わる、というのはないですね」

 たとえ形が変わっても、最終ラインの仕事をまっとうする上での原理原則は変わらない。すべては自らの経験値で対処できると心配無用を強調した冨安は、ともに東京五輪世代で何度もともにプレーした真ん中の板倉滉、左の町田浩樹と組んだシリア戦の前半で相手のシュートを1本に封じた。

 さらに右ウイングバックとして初めて先発した堂安律を後方から押し上げる形でフォローしながら、ミャンマー戦でどうしても左右非対称と偏った攻撃にも間接的に修正をほどこした。自陣から発動させたカウンターから19分に節目の代表通算10ゴール目をあげ、充実した表情で「右サイドを完全に制圧できた」と試合後に語った堂安を「律」と呼びながら、冨安自身もこんな言葉を残している。

「守備のところでできるだけ律を前に出してあげたい、という気持ちがあったなかで、それはうまくできたかな、と。律も勝手に前へいってくれるので、それをしっかりと後ろで調整する感じでポジティブな内容だったと思う。ビルドアップの部分でも目立ったノッキングがなかったけど、相手のレベルが上がれば今日のやり方でもノッキングをおこした可能性もなくはない。だからこそ一個一個のプレーに慢心せずに、チームのみんなとしっかりと振り返りながら解決していければいい」

 左ウイングバックの中村敬斗が伊藤に代わった後半開始とともに、冨安も右サイドバックへシフトした。左から伊藤、町田、板倉、そして冨安と平均身長が188cmを超える4バックが初めて形成されたなかで、ボランチの遠藤や田中碧を含めて、ある共通認識をもってプレーしていたと冨安は明かす。

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