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Jリーグ 4か月前

坪井慶介が「DFのいい準備」を言語化する。1対1の優先順位とは?「身体能力だけで勝てない」【元サッカー日本代表のDF論】

シリーズ:コラム text by 舞野隼大 photo by Getty Images

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 身長179cmとCBとして決して大柄ではなかった坪井慶介氏は、なぜサッカー日本代表やJリーグの第一線で活躍し続けることができたのだろうか。DFに必要な「準備」を言語化すべく、坪井氏がキャリアの中で身につけていったディフェンス論を、余すところなく語ってもらった。(構成:舞野隼大)


浦和レッズで井原正巳さんから受けた大きな影響

坪井
【写真:Getty Images】

 僕が思う理想のディフェンダー像は、抽象的に言うと“安心感を与えられる選手”であることですね。例えば守備で「自分が抜かれても、この人が後ろにいればカバーしてもらえる」と思われたり、ビルドアップでもプレッシャーを受けた時に「この人へボールを下げれば、ちゃんと展開してくれる」でも、なんでもいいと思っています。

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 僕の経験で言うと、新人の時に浦和レッズで一緒にプレーした井原正巳さんですね。当時チームを率いていたのはオフト監督で、井原さんが3バックの中央にいて、新人の僕が右に配置されていました。

 当時の井原さんは35歳で、全盛期の速さはなかったですけど、経験に基づいた読みがありましたし、若い僕のスピードをうまく使って守るということをしていました。ゲーム中も、すごい事細かに指示を出すわけではなく「いるから大丈夫だよ」、「ツボ、今は潰しにいっていいよ」とパッと的確に言ってくれるので、新人の時でも安心してプレーすることができて、大きな影響を受けました。

 守備は受け身なので、相手の選択肢を限定しないといけません。相手が前を向いてパスを出せるし、ドリブルもできるし、シュートも打てるという、相手がなんでもできる状態なら、対応のしようがありません。

 前で溜めを作るプレーを消すなら、背後を突かれてもある程度追いつけるようにしておくとか、シュートコースは絶対に切っておくとか。その代わり、パスはある程度の限定しかできないから周りと連係を取るとか。

 相手の選択肢を減らす作業をするには、こちらがいい準備を早くするしかありません。そこを個でもユニットでもやらなければいけない大変さはありますが。

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