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日本代表 4週間前

右WBが「ベストになるかも」サッカー日本代表、堂安律の進化。「守備がうまいね」と言われるまでのストーリー【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Shinya Tanaka

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サッカー日本代表は11日、FIFAワールドカップ26アジア2次予選・グループリーグB組第6節でシリア代表と対戦し5-0で勝利した。この試合で右WBとして出場した堂安律はゴールを決めるなど躍動。勝利の立役者となった。今では当たり前のようにハードワークを続ける堂安だが、10年前はその重要性を理解していなかったという。彼はいかにして、守備でも貢献できる選手へと変貌を遂げたのだろうか。(取材・文:元川悦子)

▽著者プロフィール:元川悦子

1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

注目ポイントとなった堂安律のWB起用

サッカー日本代表の堂安律
【写真:田中伸弥】

 9月にスタートするFIFAワールドカップ26・アジア最終予選前、最後の強化の場となった11日のシリア戦。日本代表の森保一監督は前日会見で予告していた通り、攻撃的3バックのテストを継続。スタートはこのシステムを採用した。

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 このうち、注目点の1つとなったのが、堂安律の右ウイングバック起用だ。

「3バックをやるに当たって、攻撃的な選手をウイングに置けば、より攻撃的になりますし、自分はWBもできるんで、そこは楽しみなオプションだと思います」と、背番号10は6日のミャンマー戦後にも大外のポジションに意欲を示していた。

 広島に来てからも「僕はスピードでサイドを切り開いていくタイプではないので、ポジショニングやパスの精度でゲームコントロールすることが大事。『ザ・ウイングバック』というスタイルではないけど、マンチェスター・シティを見ていても、(ベルナルド・)シウバが右サイドにいることで、スピードがなくてもボールが回っている。自分がやるとしても、シャドーの誰かやボランチ、センターバック(CB)の右と絡んで支配したい」とより踏み込んだ発言をしており、今季フライブルクで開拓した新境地を代表にも持ち込みたいと熱望したのだ。

 今回、森保監督は堂安の周囲に1トップ・上田綺世、右シャドー・久保建英、右ボランチ・田中碧、右CB冨安健洋という慣れ親しんだ同世代を配置。これも本人にとってやりやすい要素になったはず。特に久保とは東京五輪時代から近い距離でポジションを入れ替えながら躍動感を示してきた。その時は4-2-3-1の右FWとトップ下という関係がメインだったが、微妙に立ち位置が変わる中で2人がいかにして連係・連動を示すのか。それも見逃せないポイントだった。

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