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日本代表 3か月前

サッカー日本代表、もう若手ではない久保建英の覚悟。「『自分が思っている自分』には…」乗り越えるべき“両立”の壁【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「あと10年、12年はこういうのが続くと…」



「代表をやっていこうと思ったら、あと10年、12年はこういうのが続くと個人的に思っているんで、厳しいっちゃ厳しいですけど、やりながら変えられることもあると思います。選手個人としては沢山、試合できる喜びを感じつつ、コンディションのところで何か他のトライもしていこうかな」と久保本人も大変さを覚悟の上で新たな模索を続けていくという。そうしなければ、長友佑都や今季限りで引退した長谷部誠、岡崎慎司らの領域に到達し、越えていけない。その事実を頭のいい彼はよく理解しているのだろう。

 さしあたって、このシリア戦を困難な道のりへの力強い一歩にしたいところ。久保が出る場合はシャドーの一角に入り、攻撃の組み立てとフィニッシュに関与していくことになる。右寄りの位置でプレーするだろうから、右WBの堂安との関係性も重要。サイドをできるだけ高い位置に押し上げ、空いたスペースを自らが有効活用する形に持っていければ、代表5ゴール目もそう遠くないはずだ。

「自分が3バックのシャドーに入る時は、WBが誰になるかによってプレーが変わっていくと思います。前回だったら中村(敬斗)のタテっていうところが攻撃の形になっていた。彼もMVPを取っていますし、誰が見ても彼が一番よかった。両WBが誰になるかによって、どっちから攻めるかというのも変化しますね。

 そこで、できるだけ高い位置を取って、相手を押し込んでから戻すっていうプレーがすごく効果的になってくる。簡単に横を向かずにタテに行ける時は行くっていうことをチームとして共有できたらいいと思いますね」

 こう久保が語った通り、シリア戦であれば、堂安と相馬のタテの推進力を引き出し、敵陣深くまで攻め込んでから変化をつけていくことが勝利への近道になる。久保が出てくれば、緩急をつけながら敵のマークを外せるし、攻撃のアイディアや工夫ももたらせる。今回の試合を経験しておくことで、最終予選以降の戦い方の変化にも対応しやすくなる。そのためにも、やはり彼にはピッチに立ってほしい。

 最終的に新システムが機能し、シリアを確実に倒して、今後に弾みをつけられれば理想的。今回の日本代表には中東勢に苦戦したアジアカップの課題を完全払拭するような内容ある一戦を強く求めたい。

(取材・文:元川悦子)

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【了】

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