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日本代表 4か月前

サッカー日本代表、もう若手ではない久保建英の覚悟。「『自分が思っている自分』には…」乗り越えるべき“両立”の壁【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「波のある選手にはなりたくないので」


【写真:Getty Images】



 彼がピッチに立てば、23歳最初の公式戦ということになる。2022年と2023年は誕生日直後の代表戦でゴールしているといういいジンクスもある。「そう言われると、毎年1点しか決めてないみたいで嫌なんで」と本人は冗談交じりに語っていたが、積極的にゴールを狙っていく姿勢は変わらない。

 今季レアル・ソシエダでは公式戦7ゴール5アシストという数字を残したが、代表ではまだ得点数が4と少ないのは確か。2019年6月のエルサルバドル戦から5年間でここまで34試合に出ているが、久保のポテンシャルがあればもっと数字を伸ばせるはず。23歳になった彼はもう若手ではない。そんな自覚を持って日本代表を引っ張ってほしい。

 ただ、今回の6月シリーズをフル稼働できていないように、ケガやフィジカル面の不安はやはり拭えない。今季もアジアカップの後、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でパリ・サンジェルマンと真っ向勝負を演じたところまではトップフォームを維持していたが、そこから徐々に出場時間が減少。終盤は下降線を強いられる形になってしまった。

「(今季は)つかみきれなかったじゃないですけど、もう一歩先に行きたかったなと。僕が本来出せるプレーを出せない時期があったんで。一番はケガで苦しんだところですけど、そこと向き合いながらコンスタントにパフォーマンスを出せるようにすることが大事ですね。『自分が思っている自分』にはもうなれていると思うので、パフォーマンスを出せない回数を減らしたい。波のある選手にはなりたくないので」と久保はシーズンフル稼働できなかった悔しさをのぞかせた。やはりタフさと逞しさをもっともっと養わなければ、クラブと代表で異彩を放ち続けることは難しい。それを思い知った1年だった。

 実際、第2次森保ジャパン発足後は、世界一タフなプレミアリーグに参戦中の冨安と三笘薫がケガを繰り返しており、代表離脱が常態化しつつある。昨季CL参戦者に目を向けても、前田大然、旗手怜央もシーズン中に負傷。欧州トップクラブと代表の掛け持ちがいかにハードルが高いかが色濃く伺える。

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