3バック導入の真の目的は…
「3バック、4バックで違いはあるように見えますけど、実は試合中に4バック気味になったり、選手たちが試合の中で可変しながら戦いのバランスをコントロールしている」
森保監督は10日の会見でこう言っている。3バック導入の真の目的は盤面上のバリエーションではなく、森保監督が常々口にする、試合を優位に進めるために選手が臨機応変に判断していくためのアプローチなのではないか。「チームのコンセプトをより具現化できる選手が多くなっているのでトライしている」とも言っていた。
冨安が「結局は試合の中で立ち位置が変われば4バックのように見えるときもあるし、相手を見ながら変えないといけない」と話せば、遠藤航も「基本的には3枚だろうが4枚だろうが、どうやって前から行くか、前向きな守備っていうところをテーマにしている」と言う。
そもそも論として大切なのは、サッカーは相手がいるスポーツで、相手の良さを消すための戦略と、自分たちの良さを出すための戦略がある。システムは「主導権を握る前向きなプレッシング」をするための方法に過ぎない。その方法の1つとして、3バックが形になれば、試合の中で臨機応変に3バックと4バックを使い分けることも可能になってくる。
3バックがいいか、4バックがいいかの議論ではない。木を見て森を見ずになってはいけない。3バックの採用を通して、日本代表が進むチーム像がおぼろげながらに見えてくる。
(取材・文:加藤健一)
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