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Jリーグ 4週間前

「セレッソさんに教えてもらった」FC町田ゼルビアはまた強くなる。約5年半ぶりゴールの昌子源が視野に入れる頂点【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

セレッソ大阪を勢いづかせたオウンゴール



「ある試合で実況の方がそう言っていたと聞いて、自分でも『そんなに取っていないんだ』と思いました。それを知ってからは、これだけ(期間が)空いているとやはりゴールがほしくなりますよね。そういった意味でも、(5年半もゴールしていない)記録を止められたのはよかったです」

 もちろん、最優先させてきたのは自らに課された仕事となる。最終ラインを束ねるディフェンスリーダーとして、黒田剛監督が求める無失点にこだわる。そして、選手間投票で選出されたキャプテンとして、鹿島や代表で積み重ねてきた濃密な経験をプレーに反映させながらチームをけん引してきた。

 町田は17試合を終えたリーグ戦で勝ち点35を積み上げて鹿島と並び、得失点差でわずかに上回って首位に立っている。今シーズンからJ3までの全60クラブが参加したルヴァンカップでは、1stラウンドの3回戦で鹿島に2-0で快勝。シュート数でも20対6と内容面でも圧倒した。

 さらに敵地・ヨドコウ桜スタジアムに乗り込んだ、5日のプレーオフラウンド第1戦では3-1でセレッソに快勝。中3日で迎えた第2戦では自らのゴールでリードを広げ、王手をかけていたベスト8進出がほぼ決まったかに見えた。しかし、追い込まれたセレッソが試合をもつれさせた。

 エースストライカーのレオ・セアラの背後に、ヴィトール・ブエノ、カピシャーバ、ルーカス・フェルナンデスを配置。ブラジル人カルテットを同時起用したなりふり構わぬ布陣のもとで、J1リーグの得点王ランキングでトップに立つレオ・セアラにさらに徹底してボールを集め出した。

 迎えた26分。ゴール中央でレオ・セアラにパスが入るも、トラップがやや大きくなったところへ昌子がアタックする。しかし、体勢を崩していたからか。昌子がかき出そうとしたボールは後方へコースを変え、自軍のゴールネットを揺らした。痛恨のオウンゴールがセレッソを勢いづかせた。

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