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YBCルヴァンカップ・プレーオフラウンド第2戦、FC町田ゼルビア対セレッソ大阪が9日に行われ、2-2のドロー決着。2戦合計スコア5-3とした町田が次のラウンドに駒を進めた。この試合で約5年半ぶりの公式戦ゴールを記録した昌子源は、ゲームの展開を反省しつつ、すでにタイトル獲得を視野に入れている。(取材・文:藤江直人)
2024日ぶりの公式戦ゴール
【写真:Getty Images】
FC町田ゼルビアのキャプテン、元日本代表のDF昌子源が虎視眈々と狙っていたゴールは予想もしない形で生まれた。ホームの町田GIONスタジアムにセレッソ大阪を迎えた、9日のYBCルヴァンカップのプレーオフラウンド第2戦。町田が1点をリードして迎えた21分だった。
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町田が獲得した右コーナーキック。左利きのMF下田北斗がインスイングから、鋭い弧を描いたクロスを放つ。ボールが急降下してきたニアでは町田の右サイドバック、身長192cm体重81kgの望月ヘンリー海輝とセレッソのセンターバック、183cm73kgの田中駿太が空中戦に臨んでいる。
どちらが制するのか、と思われた直後にボールは後方へ流れていった。ゴール中央へ詰めていた昌子はとっさの反応を強いられた。当然ながら、2人のブラインドになって刹那の状況をはっきりと覚えていない。上背で勝る望月が頭でフリックしたのか、と問われた昌子はやんわりと首を横に振った。
「いや、あいつじゃないんじゃないかな。多分、相手の選手じゃないかな。多分ですけど」
しかし、公式記録では望月も田中もボールに触れたとは記されていない。それだけきわどい状況で、重力もあってさらにスピードを増して、足元に落ちてきたボールの軌道だけは覚えている。
「ボールが気持ち、伸びてきたので。(体の)どこでもいいから当たってくれ、くらいの感覚でした」
右足のすねをヒットさせたのか、あるいはひざだったのかも覚えていない。昌子自身も「トーン、みたいな感じで(当たった)」と思わず苦笑した。それでも、セレッソの守護神キム・ジンヒョンの虚をつき、反応をわずかに遅らせ、ゴールの右隅へ押し込んだ一撃は大きな意味をもっていた。
昌子にとっては鹿島アントラーズに所属していた、2018年11月24日のベガルタ仙台とのJ1リーグ第33節で決めて以来となる公式戦でのゴールだった。実に2024日ぶりに味わう快感。しかも昌子は敵地・ユアテックスタジアム仙台で、5年半も前に決めた一撃を「よく覚えていますよ」と笑う。