RWG:アルダ・トゥラン(元トルコ代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:1987年1月30日
在籍期間:2015年夏〜2020年夏
移籍金:3400万ユーロ(約47.6億円)
通算成績:55試合15得点11アシスト
トルコ代表で通算100キャップの実績を誇るアルダ・トゥランは、2011年から過ごしたアトレティコ・マドリードで主力として活躍。それをルイス・エンリケ監督に高く評価されたことで、2015年夏にトルコ人史上最高額となる移籍金3400万ユーロ(約47.6億円)でバルセロナに渡った。しかし、当時のバルセロナはFIFAにより選手登録が禁じられていたため、正式登録は翌年1月となった。
そんなA・トゥランは、加入から正式登録に至るまでの半年のブランクの影響もあってか、期待されたほどのパフォーマンスは見せられず、おまけに度重なる怪我にも悩まされた。そして2017年に自身を評価していたエンリケ監督が去り、エルネスト・バルベルデ監督がやってくると構想外に。2017/18シーズンは公式戦で一度もピッチに立てず、途中バシャクシェヒルにレンタルで出ている。
バシャクシェヒルでのA・トゥランは、副審への暴言・暴行で16試合の出場停止処分を受けたり、トルコ人歌手を暴行して怪我を負わせ、病院で拳銃を発砲したりと問題続き。2020年冬にレンタル契約を解消してバルセロナに戻ってきたが、当然ながら居場所はなく、1試合も出ることなく同年夏にガラタサライへフリー移籍している。バルセロナの歴史に泥を塗ることになってしまった。
CF:ズラタン・イブラヒモビッチ(元スウェーデン代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:1981年10月3日
在籍期間:2009年夏〜2011年夏
移籍金:6950万ユーロ(約97.3億円)
通算成績:46試合22得点13アシスト
先月に41歳での現役引退を発表したズラタン・イブラヒモビッチは、ミランやパリ・サンジェルマン(PSG)を筆頭に数多くのビッグクラブに在籍。そのほとんどで成功を収め、世界最高のストライカーであることを証明し続けた。しかし、2009年のバルセロナ移籍だけは、イブラヒモビッチの長いキャリアにおいて唯一の失敗になったと言えるだろう。
イブラヒモビッチは周囲の期待を良い意味で裏切り、バルセロナ加入直後からゴールを量産。2009年内に行われたリーグ戦14試合で11ゴールをマークしている。ところが、後半戦に入るとプレータイムと得点数が減少。当時のジョゼップ・グアルディオラ監督が、後にバルセロナ最強のレジェンドとなるリオネル・メッシを中心としたチーム作りにシフトチェンジしたことが要因だった。
当然ながら、これに理解を示すことができなかったスウェーデンの王様は、バルセロナで1シーズンを過ごした後にミランにレンタル移籍。そのまま帰ってくることはなかった。バルセロナはイブラヒモビッチ獲得に4950万ユーロ(約69.3億円)+サミュエル・エトーの総額6950万ユーロ(約97.3億円)を費やしたが、イブラヒモビッチ売却で得た利益は3000万ユーロ(約42億円)だった。
LWG:アントワーヌ・グリーズマン(フランス代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:1991年3月21日
在籍期間:2019年夏〜2023年夏
移籍金:1億2000万ユーロ(約168億円)
通算成績:102試合35得点17アシスト
ディエゴ・シメオネ監督率いるアトレティコ・マドリードでワールドクラスの選手となったアントワーヌ・グリーズマンが“決断”したのは2019年のこと。「新しい挑戦のため」にバルセロナに籍を移した。移籍金は当時のサッカー史上5番目に高額な1億2000万ユーロ(約168億円)。クレ(バルセロナファンの愛称)から大きな期待を寄せられたのは必然だった。
しかし、グリーズマンは期待を裏切ってしまった。本来、中央でのプレーを得意としていたが、当時のチームにはルイス・スアレス、そして絶対的エースのリオネル・メッシもいたため、主戦場はベストとは言い難い左ウィングに。その結果、アトレティコ時代のようなエースっぷりをまったく発揮できず、1年目は公式戦48試合で15得点と物足りない数字に終わっている。
スアレスが去った2年目はより中央でのプレーが増えたこともあって得点関与数も増加したが、完全にフィットしたとは言い難かった。結局、高額な移籍金に見合う働きをみせられぬまま、2021/22シーズンにレンタルで古巣アトレティコに戻り、2023年の夏にバルセロナを完全に離れた。ロシアワールドカップやアトレティコに戻った後の活躍からも、能力の高さに疑いの余地はないのだが…。