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マンチェスター・ユナイテッドの今季は“最悪”だったのか。不安は開幕前から…。それでも残した希望【シーズン総括コラム】

シリーズ:コラム text by 内藤秀明 photo by Getty Images

怪我人続出の中で輝きを放ったのは?

マンチェスター・ユナイテッドのDFディオゴ・ダロト
【写真:Getty Images】



 こうして怪我人が大量発生したことで、日々のトレーニングでメンバーは入れ替わることが多かった上に、シーズン中はミッドウィークに試合が入ることが多く、ろくに戦術練習が出来なかったことは容易に想像できる。

 しかもプレシーズンマッチでは、最終ラインとボランチの選手がかなり流動的に動き回るビルドアップを作り上げようとしていたにも関わらず、その最終ラインに怪我人が続出したのも不運だった。今季、戦術的な上積みが出来なかったのは、言い訳の余地があるだろう。

 このような苦しいシーズンの中で、輝きを放った選手もいた。そのうちの一人はディオゴ・ダロトだ。クラブが選ぶ年間最優秀選手に輝いたポルトガル代表DFは、ボロボロの最終ラインの中でリーグ戦に36試合出場するなど、ほぼ年間稼働した。

 ただしこれは偶然ではない。米メディア『ジ・アスレチック』によると、2020/21シーズンにACミランにレンタル移籍したダロトは、イタリアのレジェンドであり、当時ミランでテクニカル・ダイレクターを務めていたパオロ・マルディーニから大きな影響を受けた。若いサッカーファンに補足をすると、マルディーニはACミラン一筋のキャリアで41歳まで現役を続け、代表戦含めて1028試合もの試合に出場した鉄人である。加えてダロトは、ストイックなことで有名なユナイテッドのOBクリスティアーノ・ロナウドとも、2021年の欧州選手権以降の友人関係を続けており、彼との会話からも日々学びを得ているという。

 このように複数の偉大な先輩を見習ったダロトは、日々、食事や睡眠などの体調管理に気を配るようになった。その結果、今季、フィジカル的に厳しいシーズンだったが、大きな怪我をすることなく、高いパフォーマンスを維持し続けたのだ。

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