原則と応用の再整理「本当に危険な場所はどこなのか」
「僕がカバーリングに行った位置が遠かったので、相手に先に触られると思ってわざと詰めないで、距離を取って、相手にトラップさせようとした。中が間に合ってなかったのは分かっていたので。(荒野)拓馬くんが直線的に戻ってくれていたら、2対2になっていたかなと。あとはクロスを上げられるタイミングでシュートというのはほぼ無いので、菅さん(菅野)に高い位置を取ってもらって、シュートを切りながら行ってもらいたかった。あるいは近藤が直線的に戻ってくるというのも。本当に守るべきところは考えながら守備をする必要があった」
そう岡村は分析する。そこからセットプレーで1点を返すも、さらに4点目、5点目を喫してしまったが、怪我によりハーフタイムで退いた岡村は「僕たちはあの広大なスペースを1対1で守らなきゃいけないですし、潰しに行かないといけない局面もあるんですけど、そこでもっとどう圧力をかけて行くのかが本当に重要になってくる」と語った。
マンツーマンをベースにしていても、本当に危険な場所はどこなのか。自分のマークを見ているからといって、周りが破られてもその人の責任とするのではなく、相互にカバーし合うことで、初めてこの守備戦術は成り立つ。そもそも、攻撃面で上回ってこそのスタイルではあるが、1試合で5失点してしまった現実をどう受け止めて、ここから取り組んでいくのか。守備戦術に長けた専門コーチを入閣させるのも1つの手かもしれないが、原則と応用の再整理は必要だろう。
(取材・文:河治良幸)
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