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【写真:Getty Images】
CMF:フェデリコ・バルベルデ(背番号15)
生年月日:1998年7月22日
23/24欧州CL成績:12試合1得点1アシスト
18歳で母国のペニャロールからレアル・マドリード・カスティージャに加入し、その後デポルティーボ・ラ・コルーニャへのレンタル移籍を経験しながら成長。トップチームでは2019/20シーズンにカゼミーロ、ルカ・モドリッチ、トニ・クロースの黄金トリオに割って入る形でブレイクを果たすと、そこから一気に主力へと定着した。今や推定市場価値は1億ユーロ(約140億円)であり、名実ともに世界最高のMFと称されている。
90分間落ちない無尽蔵のスタミナとピッチを縦横無尽に駆け回る走力はチーム内でも随一。フィジカルコンタクトの強さも申し分なく、球際でハードに戦っては、馬力のある縦への突破から時に強烈なシュートを叩き込むなど、とにかく攻守両面における働きぶりは目を見張るものがある。1日に激突するドルトムントも若く、非常に勢いがあるチームだが、そんな彼らに負けないほどの存在感を、聖地ウェンブリー・スタジアムで放ってくれること間違いなしだ。
先日には自身のSNSに引退を表明したトニ・クロースへのメッセージを投稿し、多くの人の心を打った。尊敬する偉大な先輩のため、そしてクラブのため、背番号15は様々な思いを抱えながら決勝のピッチに立つことになるだろう。ちなみに、優勝を決めることができたら「髪を白く染めるつもりだよ」と公言。ウルグアイが生んだニュースターの頭は白く輝くのか、それとも。
【写真:Getty Images】
DMF:エドゥアルド・カマヴィンガ(背番号12)
生年月日:2002年11月10日
23/24欧州CL成績:10試合0得点2アシスト
今季、本職のボランチだけでなく、センターバックもこなすなどハイパフォーマンスを続けていたオーレリアン・チュアメニだが、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準決勝のバイエルン・ミュンヘン戦で負傷したことで、決勝のピッチに立つことができなくなった。すでにカルロ・アンチェロッティ監督が欠場を明言している。そんな同選手に代わり、アンカーの位置での先発が濃厚となっているのが、同胞のエドゥアルド・カマヴィンガだ。
16歳でトップチームデビューを飾るなど、レンヌ時代に“神童”と称されたフランス人は、レアル・マドリード加入後もその才能を遺憾なく発揮している。得点への直接関与数は決して多くないが、パスやターンの技術は極めて高く、独特なボールの運びからチーム全体に推進力をもたらすことも可能。守備では長い足を使ったインターセプトで相手の攻撃を食い止めることができ、様々な局面で中盤を引き締める。また、本職の中盤だけでなく、サイドバックもそつなくこなし、一方でピッチを離れれば華麗な指さばきでピアノを操るなど、公私ともに万能な点もこの男の大きな魅力だ。
CL決勝に挑むのはこれで2回目となるが、前回の2021/22シーズン、リバプール戦はトニ・クロース、カゼミーロ、ルカ・モドリッチの黄金トリオが揃っていたこともあり、たった4分間の出場に留まっていた。しかし、今度はスタートからピッチに立つことが濃厚。優勝した場合、掲げるのは同じビッグイヤーでも、2シーズン前に手にしたそれとは、また喜びも一味違ってくるのではないだろうか。
【写真:Getty Images】
CMF:トニ・クロース(背番号8)
生年月日:1990年1月4日
23/24欧州CL成績:11試合0得点1アシスト
レアル・マドリード通算400試合以上に出場した“生きるレジェンド”だ。これまで両手では数え切れないほどのタイトルを獲得しており、まさにクラブとともに歴史を築き上げてきた。チームでは数々のスター選手を抑えて最高額となる年俸(2438万ユーロ=約34億円)を受け取っている(『capology』を参照)が、誰からも文句を言われる筋合いはないだろう。その金額以上の働きを示してきたのは紛れもない事実だ。
パススキルの高さは現代ではもちろんのこと、歴代で見ても世界トップクラス。味方の足元にズバッと差し込むピンポイントパス、即座に次のプレーへ繋がる絶妙なスピードとコース調整が活きたスルーパス、局面を一気に打開するロングフィードと、すべてにおいて寸分の狂いもない。今季もラ・リーガではチーム最多2242本のパスを成功させるというさすがの成績を残した。クリスティアーノ・ロナウド、カリム・ベンゼマ、ヴィニシウス・ジュニオール…。ドイツの天才が持つ“黄金の右足”による恩恵を受けた選手は計り知れず、ウェンブリー・スタジアムでもその右足は眩い輝きを放つことになるだろう。
周知のとおり、今夏のユーロ2024(欧州選手権)をもって現役から退くことを決断。つまり、今回のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝、ドルトムント戦がマドリーの選手として戦う最後の公式戦ということになる。フィナーレは、マドリーでは5度目となるビッグイヤーを掲げ、笑顔で。選手本人はもちろんのこと、チームメイト、監督、スタッフ、そして全世界のマドリディスタによる願いはみな同じだ。
【写真:Getty Images】
AMF:ジュード・ベリンガム(背番号5)
生年月日:2003年6月29日
23/24欧州CL成績:10試合4得点4アシスト
怪物はやはり怪物だった。ドルトムントでスターへの階段を駆け上がった若きMFは、昨年夏に世界で最も偉大なクラブの一員に。1億ユーロ(約140億円)以上の移籍金が発生したことも相まって大きな期待を寄せられたが、そのプレッシャーに押し潰されることなく、スペインの地でも類稀な才能を余すことなく発揮。ラ・リーガでは初挑戦ながら19得点をマークしてシーズンMVPに選出され、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でも10試合で8得点に直接関与する、異次元のプレーで全世界の度肝を抜いた。
カルロ・アンチェロッティ監督の元では、主にトップ下でプレー。2トップが流動的にプレーすることで出来上がるスペースにタイミングよく侵入し、ゴール前で決定的な仕事を果たすだけでなく、卓越した技術とともに備わった非凡なアスリート能力を活かし、守備でも汗をかき続けるなど、攻守両面で頼もしいアクションを連発した。また、今季バルセロナとのエル・クラシコでは2試合で3得点を奪うなど、大事な試合・場面で結果を残してきたことも忘れてはならない。常勝軍団に相応しいタレントだと言えるだろう。
そんな大器にとって、これがキャリア初のCL決勝となる。対戦相手は奇しくも昨季まで在籍していたドルトムント、そして舞台は母国イングランドの聖地ウェンブリー・スタジアム。あまりにも出来すぎているストーリーであり、並々ならぬ思いでこのファイナルに臨むことは間違いないだろう。ビッグイヤーを掲げることができれば、バロンドール受賞という夢にも一歩前進するかもしれない。