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Jリーグ 1か月前

アルビレックス新潟で「出続けるうれしさ」。長倉幹樹は“しれっと”現れて涼しい顔でゴールネットを揺らす【コラム】

シリーズ:コラム text by 野本桂子 photo by Getty Images

決定力不足に悩むアルビレックス新潟



 今季キャンプの入りから好調だった長倉は、沖縄で行われた最初の練習試合・ガンバ大阪戦で、チームのファーストゴールを決めた。敵陣での連動した守備から、こぼれ球を拾ってのミドルシュート。宇佐美貴史に先制された1分後に追いつく貴重なゴールで流れを引き寄せ、その後は谷口の逆転弾で新潟が2-1で勝利している。

 昨季のリーグ最終節で決め、今季は最初に決めた。報道陣は「いい流れですね」と声をかけたものの、長倉本人は「いま気づけば……。全然、何も考えていなかったです(笑)。幸先よく1点目が取れてよかったです」と、気負いのなさが奏功した1点目だった。しかしそのキャンプ中に臀部を負傷し約1カ月離脱。開幕ダッシュとはいかなかったが努力を続け、今季最も苦しい状況となった5月に、チームの力となった。

 新潟はJ1第16節終了時点で16位。ルヴァンカップはプレーオフステージへ進んだ。6月もカップ戦を含め8試合を戦う過密日程。町田、長崎、鹿島と堅守を誇るチームとの対戦は、新潟がいま取り組んでいる決定力不足を解消する試金石となる。長倉も「自分だけじゃなくて、チームで崩していかないといけないので、連係を大事にして点を取りたい」と意識する。

 先週末までの5連戦で試合勘に磨きがかかり、ゴールに絡み続けていることは、いい兆しだ。それでも得点に関わった試合で勝てなかった悔しさはある。「どの試合もそうですけど、結果を出して、そのうえで勝てたら一番いいと思います」。6月も5連戦から始まる。長倉は引き続き、チームのために足を動かし、体を張りながら、自らのゴールで勝利に導くことを目指す。

(取材・文:野本桂子)

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【了】

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