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Jリーグ 1か月前

アルビレックス新潟で「出続けるうれしさ」。長倉幹樹は“しれっと”現れて涼しい顔でゴールネットを揺らす【コラム】

シリーズ:コラム text by 野本桂子 photo by Getty Images

「できないことがない選手」熱さを秘めるゴールハンター



 自負する持ち味はオフ・ザ・ボールの動き出しで、16節を終えての総スプリント回数(25km/h以上で1秒以上走った回数)はチーム1位の182回。2位の松田詠太郎(166回)の出場時間は786分であり、同590分の長倉がスプリントを記録する頻度の高さが分かる。

 チームメイトである高木善朗いわく「できないことがない選手」。身体能力が高く、スピードも運動量もあり、技術も高い。常に冷静で、しれっと、するっとゴール前に現れて、涼しい顔でネットを揺らす。

 今季初得点が生まれたJ1第4節・東京V戦は、連動したプレスから相手のミスを逃さず冷静にゴール。第13節・浦和戦では、DFの頭を越えてきたクロスを正確に頭でプッシュ。第15節・湘南戦では、DFと競り合いながらも谷口海斗からのパスを左足にうまく当てて、ニアサイドへ流し込んだ。

 日頃はおとなしく穏やかだが、点を決めた後は力強いガッツポーズで吠える熱い一面も持っている。また、球際でも負けん気の強さを見せる。

 今季のルヴァンカップ2回戦・いわき戦でのこと。開始12分、味方からのロングパスをDFと競り合った際に倒れた。しかしすぐに立ち上がり、相手のものになったボールを猛然と奪い返しにいくと、もつれ合いながらも泥臭く刈り取って、シュートを打ち切った。これは枠外ではあったが、まさに転んでもただでは起きない執念を見せた。その後もこのDF――大森理生との球際バチバチの熱いバトルは、63分に長倉が交代になるまで続き、見応えがあった。昨季は見られなかった熱さが、試合ごとに開放されてきたようにも見える。

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