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海外サッカー 1か月前

「自分がやらないと…」“アジア杯”の後、板倉滉は変わった。苦しいシーズンで生まれた意識の変化【現地発コラム】

シリーズ:コラム text by 林遼平 photo by Getty Images

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板倉滉にとって23/24シーズンは様々な逆境に立ち向かわなければならないシーズンになった。サッカー日本代表として出場したAFCアジアカップカタール2023で味わった悔しさ、そして足首の怪我やボルシア・メンヒェングラートバッハの低迷といった現実に向き合い、自身の成長につなげていく。(取材・文:林遼平【ドイツ】)


著者プロフィール:林遼平

1987年生まれ、埼玉県出身。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。


足首の負傷、AFCアジアカップ敗退、チームの低迷…

サッカー日本代表DF板倉滉
【写真:Getty Images】

 近年では最も苦しんだシーズンと言っていいのではないだろうか。ボルシア・メンヒェングラートバッハに加入して2年目、チームとしても個人としてもさらに上を目指したかった中、チームの順位、個人の出場試合数ともに昨年を上回れなかった。数字だけを見れば、満足できるものではない。

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 ただ、本人は「悔しいシーズンではもちろんあった」としつつも、「いろいろな意味でいい経験になったシーズン」と振り返る。この1年、怪我での離脱やAFCアジアカップ出場など、様々なことがありながら、そのプロセスに大きな意味があると信じてとにかく前へ突き進んだ。結果として悔しいシーズンだったかもしれない。それでも、この1年で得た経験をより良いものにしようとする考えが板倉にはある。

 振り返ると、今シーズンの序盤は見事な活躍が続いた。確かな信頼をつかんで開幕戦のアウクスブルク戦からスタメン出場を果たすと、さっそくセットプレーから今季初ゴールを奪取。第3戦のバイエルン・ミュンヘン戦も敗れはしたが、再びセットプレーからゴールを奪うなど、攻守に自身の力を証明するパフォーマンスを披露した。そんな見事な活躍もあって8月はチームのMVPにも選出。シーズンのスタートとしては上々の入りを見せた。

 しかし、そこからは近年、痛みを抱えてきた足首に問題を抱え、満足のいくパフォーマンスを続けることができなかった。相手の動きに遅れてタックルする場面が増え、4試合で3枚のイエローカードを提示されるなど、本来の出来からは程遠い状態に。結果、10月の段階で手術を決行し、約2ヶ月の離脱を余儀なくされた。

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