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海外サッカー 1か月前

「自分としては…」南野拓実が大きく変わった2つの要因。“失敗”を経て…「チャンスだと感じていた」わけ【現地発コラム】

シリーズ:コラム text by 小川由紀子 photo by Getty Images

「自分としてはもっと出来たと思う」

モナコ
【写真:Getty Images】



「タキのことは2014年、まだ彼が若かった頃から知っていて、ザルツブルグにいた頃から好きな選手だった。それ以来彼の成長ぶりをずっと観察していた。リバプールへと大きく飛躍したが、そこではうまくいかないこともあったようだ。そしてモナコにきて、ここでも、厳しい時を過ごしていたように思う。選手にとって、かつてともにプレーした指揮官については、その哲学というものを理解しているものだ。その監督がどういったマネジメントをするのか、というようなこともね。

 彼は今シーズン、非常に良いインパクトをチームに与えてくれた。多くのゴールも決めてくれたし、今日は絶対に10点目をとるんだ、と意気込んでいたよ(笑)。彼は素晴らしい活躍をしてくれた。チーム全体と同じくね。そして彼はこのチームにとって非常に大きなパートをしめている。CLに挑む来季のチームにおいても、中心選手となるべき存在だ」。

 不完全燃焼に終わった昨シーズンのあと、南野は「来シーズンこそ絶対中心選手で、チームの力になる」と心に誓ったという。そして今シーズン、その言葉どおりの選手となった。

 それは、モーモン記者のいう、“メタモルフォーゼ”(変化、変身)というよりも、昨シーズンは引き出されなかった彼本来の力が発揮された“覚醒”に近いように思う。ただ、モナコにおいての南野の存在感、重要性ということであれば、たしかにそれは劇的に“変化”した。プレー面だけでなく、「今季こそ」という気合いで臨んだ彼の力強い意志も、チームを鼓舞する役割を担っていた。

 試合日のモナコのスタジアム周辺では、南野の「18」のシャツを身につけたファンをいたるところに見かけるのだが、彼らは一様に、「ようやく“タキ”の本来の姿を見ることができた」という喜びと、「でもまだこれが彼のすべてではない。来シーズンはさらに進化した姿を見せてくれるはず」という期待を口にする。

 南野自身も、今季が自分の真価を発揮したシーズンだとは思っていない。

「自分としてはもっと出来たと思う」とシーズンを総括した南野は、来シーズン、CLに挑むモナコで、さらにパワーアップしたパフォーマンスを見せることを、己に誓っているのだ。

(取材・文:小川由紀子【フランス】)

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【了】

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