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海外サッカー 1か月前

「自分としては…」南野拓実が大きく変わった2つの要因。“失敗”を経て…「チャンスだと感じていた」わけ【現地発コラム】

シリーズ:コラム text by 小川由紀子 photo by Getty Images

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2023/24シーズンのモナコはリーグ戦を2位で終え、来季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権を手にした。その立役者となったのが、サッカー日本代表MF南野拓実だ。加入1年目の昨季は“失敗”の烙印を押されるも、今季はほぼフル稼働し、リーグ戦9得点6アシストの成績を残している。なぜ1年でここまでの変化を遂げることができたのか。(取材・文:小川由紀子【フランス】)

著者プロフィール:小川由紀子

学生時代からブリティッシュロックを愛好し、1992年に渡英。音楽三昧のロンドン生活の傍ら、人々の生活や文化に深く根付いたフットボールに魅せられ、1996年の欧州選手権開催に盛り上がる中、フットボール取材を開始。サッカー界が金満ワールドに染まりきる前の、古き良き時代の最後の名残を慈しむ。その後フランスに渡り、現在はパリを拠点に、フランスリーグを中心とした欧州サッカーやバスケットボール、自転車ロードレースなどの取材、執筆に勤しむ。

「今年は誰も南野拓実には期待していなかった」

モナコの南野拓実
【写真:Getty Images】

 メタモルフォーゼ。

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「変化、変身」を意味するギリシャ語が起源のこの言葉を使って、レキップ紙のASモナコ担当、アントワン・モーモン記者は今季の南野拓実について描写する。

「リバプールから移籍してきた選手というのもあって期待が高かっただけに、正直1年目は“失敗”と言える出来だった。なので今年は誰も南野には期待していなかった。昨年よりは良いプレーをしてくれよ、と願ってはいたけれど、重要な戦力になることは期待していなかった。

 それだけに今季の彼は、まさに“メタモルフォーゼ”だよ」。

 モーモン記者が言うように、2022年夏、リバプールからモナコに加入した南野の前評判は、とてつもなく高かった。

 モナコは、マリ代表のMFモハメド・カマラと同じ、その夏のメルカートでクラブ最高額の1500万ユーロ(約21億円)を投じて、日本代表の攻撃的MFを迎え入れた。

 ところがデビューシーズン、南野がリーグ戦でピッチに立ったのは18試合。時間にしてフル出場8試合分に等しい約720分で1ゴール4アシストという結果に、『22/23シーズンのリーグ・アンでもっともがっかり移籍』という残酷な評価を下すメディアもあった。

 しかし今季は、チームのエースストライカー、ウィサム・ベン・イェデルに次ぐ9得点、そしてチーム首位の6アシスト、という数字以上に、南野は、モナコがシーズンを2位で終えるうえで非常に重要な戦力となっていた。

 この飛躍の理由について、南野自身は次の2つを挙げている。

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