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Jリーグ 6か月前

柏レイソル、関根大輝は「落ち込んでいた」。アジアカップ後の知られざる苦労や悩み「自分には全然なかった」ことは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「マルシーニョがあまり守備に参加しないという情報が…」



 そういう流れのまま無失点で乗り切れたらよかったが、柏は30分に一瞬のスキを突かれ、脇坂泰斗に先制点を奪われてしまう。崩されたのは三丸拡のいる左サイドからだったが、0−1で前半を折り返したことで、チーム全体に危機感が強まった。

「マルシーニョがあまり守備に参加しないという情報があったし、実際にやっていてもそれが分かったので、ハーフタイムに周りの選手に自分がやりやすいようにパスを出してほしいと伝えた。ボール持ったら自分のよさを出せるので、そういうふうに仕向けました」と背番号32は気を引き締めた。

 前向きな話し合いが奏功し、後半の柏は一気にテンポを上げ、猛攻を仕掛けた。関根もより高い位置を取り、島村、細谷らと絡みながらチャンスメークを試みた。

「前半はあまりセキのところでボールが入らなかったけど、後半は入るようになった。自分のポストプレーの回数も増えて、チャンスを作れるようになったのかなと思います」と細谷も手ごたえを口にした。

 迎えた後半59分。柏はマテウス・サヴィオのFKから同点弾を叩き出す。DFのクリアボールを拾った戸嶋祥郎がシュート。これが相手に当たってゴール前にこぼれ、今季好調の木下が右足で蹴り込む形だった。

 ここから逆転に持ち込むべく、彼らはさらに攻め込んでいく。70分にマルシーニョが下がって山内日向汰が入ったこともあり、関根もより積極的に前へ行けるようになった。

「今季から右サイドバック(SB)にセキが入って、最終ラインとしてはいい関係でやれている。僕らセンターバック(CB)陣は彼が気持ちよく前に絡んでいけるようにサポートすることを意識しています」とキャプテン・古賀太陽も語っていたが、頼もしい援護射撃を受け、背番号32の攻め上がりのタイミングとタッチライン際のアップダウン、要所要所で危険な場面を消す守備に磨きがかかった。秀逸なパフォーマンスによって、「近未来のA代表右サイドバック」という彼の評価もより一層、高まった。

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