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明治安田J1リーグ第16節、川崎フロンターレ対柏レイソルが25日に行われ、1-1のドローに終わった。この試合でマルシーニョを封じるなど躍動したのが、サッカーU-23日本代表DF関根大輝だ。「近未来のA代表」と評される大型SBは、U-23アジアカップ後、大きな壁にぶつかっていた。(取材・文:元川悦子)
▽著者プロフィール:元川悦子
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
マルシーニョを封じた関根大輝の凄み
【写真:Getty Images】
2023年の天皇杯決勝・川崎フロンターレ戦でスタメンを張った山田康太(ガンバ大阪)や椎橋慧也(名古屋グランパス)ら主力が移籍し、今季は戦力的にやや厳しいと目されていた柏レイソル。しかしながら、海外経験のある長身FW木下康介、アカデミー出身の白井永地、ロアッソ熊本で進化を遂げた島村拓弥らピンポイントの補強がプラス効果をもたらし、今季は悪くないスタートを切っている。序盤には昨季王者・ヴィッセル神戸やタレント揃いの浦和レッズを撃破するなど、底力を示しているのだ。
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AFC U-23アジアカップカタール2024参戦で4試合欠場した細谷真大と関根大輝が戻った5月11日のFC東京戦以降は3戦無敗。14試合終了時点で10位と、上昇気流に乗りつつある。こうした中、25日に川崎Fとのアウェイでの天皇杯決勝リベンジマッチを迎えた。
連敗中の川崎Fは黒星街道脱出に全力を注いできた。彼らの攻撃のキーマンはやはり左FWのマルシーニョだ。爆発的なスピードと打開力を誇るウインガーを封じなければ、柏の勝利はあり得ない。マッチアップする関根もパリ五輪アジア最終予選に挑むようなメンタリティで挑んだに違いない。
「試合前からそこ(マルシーニョのところ)が川崎Fのポイントだと分かっていたので、自由にやらせないことが自分の仕事だと思っていました。チームに戻ってからの僕のパフォーマンスは納得いくものじゃなかったですし、相手がマルシーニョってこともあって、物凄く気合が入っていました」と本人もギラギラ感を前面に押し出した。
開始早々の1分、関根はいきなりマルシーニョの突破を阻止。ボールを奪うという好プレーから試合に入った。その後も快足ウイングはたびたび左サイドを打開してきたが、彼はタテ関係を形成する島村と協力しながら徹底した守りを披露。ほとんどシュートチャンスを作らせなかった。
「自分のゴールチャンスが(ドリブルで侵入した36分の)1本だけという試合もある。すごく残念に思います」とマルシーニョも反省しきりだったが、彼を苦境に追い込んだ関根らの守備が上手だったと言っていい。