FW:アントニー(マンチェスター・ユナイテッド)
【写真:Getty Images】
生年月日:2000年2月24日
リーグ戦成績:29試合1得点1アシスト
マンチェスター・ユナイテッドのアントニーが今季最も期待外れだった選手と言っても過言ではない。2022年夏にエリック・テン・ハフ監督とともにアヤックスから9500万ユーロ(約133億円)の移籍金で加入したブラジル代表FWは、真価を問われた2年目の今シーズンに大いに苦しみ、第35節バーンリー戦でようやく今季初ゴールを記録。チャンスメイカーとしても不発に終わり、シーズンを通してプレミアリーグでは2ゴールにしか絡むことができなかった。
特に深刻だったのが決定力不足だ。今季アントニーは43本のシュートを放ち、そのうち16本が枠内を捉えていた。それにも関わらずゴールネットを揺らしたのは一度のみで、1ゴール以上決めたフィールドプレイヤーの中ではワーストの2.33%の決定率に終わっている。
開幕直後こそスタメン出場を果たしていたが、この低パフォーマンスを受けてさすがに恩師テン・ハフ監督の中でも序列が下がり、徐々にベンチスタートとなる機会が増えた。今季のラスト2試合で先発に抜擢されたアマド・ディアロが勝利に大きく貢献するパフォーマンスを披露した一方で、アントニーには出場機会が訪れなかった。輝きを放った21歳のコートジボワール代表FWとは対照的な形でシーズンが終わりを告げている。
FW:クリストファー・エンクンク(チェルシー)
【写真:Getty Images】
生年月日:1997年11月14日
リーグ戦成績:11試合3得点0アシスト
今シーズンのチェルシーが予想以上に苦しんだ理由の1つが開幕前からの怪我人続出だ。中でも昨季のブンデスリーガ得点王で、補強の目玉として期待されていたクリストファー・エンクンクのプレシーズンでの負傷は未完成だったチームの攻撃陣に大きなダメージをもたらした。
このフランス代表FWは得点王を獲得した昨シーズンも外側側副靱帯断裂と肉離れの大怪我を負っており、以前からスペ体質な部分が懸念されていた。ただ、当初の不安よりも稼働率が悪く、膝の負傷で開幕前から11月までの長期離脱を余儀なくされると、そこからコンディションを上げるのにも苦戦して、新天地デビューは12月にまで先延ばしに。ようやく試合に出場し始めたかと思われたが、1月に股関節の怪我を負い、3月にはハムストリングを負傷した。
その結果、1年目の今季はプレミアリーグでわずか11試合の出場に留まり、先発出場はたったの2回のみと期待を大きく裏切った。パフォーマンス面よりも怪我による離脱なため致し方ない部分もあるが、あまりにも脆すぎる。食生活を大きく変えてスペ体質を克服したウェストハムのミカエル・アントニオのように根本的な改善が必要かもしれない。
FW:マーカス・ラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)
【写真:Getty Images】
生年月日:1997年10月31日
リーグ戦成績:33試合7得点2アシスト
昨季のマーカス・ラッシュフォードはこれまでのキャリアで最高の姿だった。それまで苦手だったヘディングでのゴールも増えたことでストライカーらしさもみせ、プレミアリーグ17ゴールと公式戦30ゴ-ルはいずれもキャリアハイ。昨夏に契約延長を果たし、今季もエースとして得点量産が期待されていた。
ところが終わってみると、昨季よりも10ゴールも少ない7得点に終わり、4ゴールに終わった2021/22シーズンに次ぐワーストな1年となってしまった。この低調なパフォーマンスを受けて、5月21日に発表されたイングランド代表の予備メンバー33人からも外れている。
彼の最大の持ち味である得点力が失われた上に、前線からの守備も相変わらず怠慢で、前からのプレスが一向にハマらない。ラスムス・ホイルンドやアレハンドロ・ガルナチョ、アマド・ディアロ、アントニーら他の前線の選手たちが守備でも走る献身性をみせているだけに、守備面でのマイナスが大きく見えてしまう。この10番をどう扱うかが来季以降のマンチェスター・ユナイテッドのカギを握るかもしれない。