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一体チェルシーはどこへ向かうのか。ポチェッティーノは「時代遅れ」。衝撃の退任に至った真実とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 内藤秀明 photo by Getty Images

チェルシーの新監督は誰に?



 新監督に関して、これまでのチェルシーなら名前のある大物を連れてきそうなものだが、今回は違うらしい。というもの移籍市場に詳しいファブリツィオ・ロマーノ氏によると、チェルシーは、若くて才能のある監督を起用し、彼ら独自の「シャビ・アロンソ・プロジェクト」を立ち上げることを考えているようだ。

 筆者の率直な感想としては「そんなに簡単にシャビ・アロンソを複製できるのであれば、苦労しないよ…」と思うものの、チェルシー側は本気でそれを検討しているらしい。

 だからこそ打診先の候補としては、キーラン・マッケナ(イプスウィッチ)トーマス・フランク(ブレントフォード)、ミチェル(ジローナ)、マレスカ(レスター)、セバスティアン・ヘーネス(シュトゥットガルト)、ヴァンサン・コンパニ(バーンリー)など若手監督が上がっている。

 ただヘーネスは今年既にバイエルン・ミュンヘンからのオファーを断ったことからシュトゥットガルト残留が濃厚で、コンパニは逆にバイエルンへの移籍に大きく傾いているようだ。

 現段階では残りの4名が濃厚で、チェルシーの中ではまだ最有力候補はないという報道もあるものの、『ガーディアン』によるとマッケナに関しては数週間前から、ブライトンと奪い合いの交渉をしているようで、最も可能性が高い監督のうちの一人だ。

 確かにマッケナは、昨季12月にマンチェスター・ユナイテッドのコーチを退任すると、3部だったイプスウィッチの監督に途中就任して、現実的な戦い方でいきなり2部チャンピオンシップに昇格させた。これだけでもトップチームの監督初経験の指導者としては十分な結果ではあるものの、まだまだ戦力が整わぬクラブを今季再び昇格させて、気がつけば2年連続の昇格でクラブをプレミアリーグに導いた。

 しかもそのサッカーは雑にロングボールを放り込む内容ではなく、守備組織を整備し、攻撃でも足りない戦力で緻密なビルドアップを構築していた。確かにチェルシーが次の“シャビ・アロンソ”として目をつけたくなる気持ちはわかる。

 最終的に誰を新監督とするかはわかっていないが、『ジ・アスレチック』の記者デイビッド・オーンスタイン氏によると、数週間ではなく、数日で新監督が決定するという。もうある程度、目処は立っているのかもしれない。

 以上が今回の突然の退任劇の真相のようだ。最終的に誰が監督になり、チェルシーがどこに向かうのかは現段階では定かではない。ただし一つ確かなのは、チェルシーの変革はまだまだ今季で終わりではない、ということだ。

(文:内藤秀明)

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【了】

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