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一体チェルシーはどこへ向かうのか。ポチェッティーノは「時代遅れ」。衝撃の退任に至った真実とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 内藤秀明 photo by Getty Images

なぜポチェッティーノは監督の座から降りたのか

チェルシー
【写真:Getty Images】



 英メディア『ガーディアン』によると、そもそもアルゼンチン人指揮官とチェルシーの間に、戦略をめぐる意見の相違があったことが、今回の決裂の原因だと見られている。

 昨夏に2年契約で雇われたポチェッティーノは、移籍の面でより大きな権限を欲していたが、それを手に入れることが難しいと判断し、退任を決断した。

 確かにポチェッティーノ側の要求もわからなくない。昨夏はフロント主導で主力が大きく入れ替わった。1000万ユーロ(約14億円)以上のディールで言うと、11人を購入して、7人を売却している。これだけの入れ替わりは異常事態である。

 しかも25歳以下の若手の補強という制限を設けることで、試合をコントロールするベテランの役割をチアゴ・シウバに依存する結果になった。そして彼をコンスタントに出場させるために39歳の元ブラジル代表DFに負荷をかけない戦術を使わざるを得なかった。

 せめて各ポジションに本職の選手がいれば、もう少し楽だったのだが、コストパフォーマンスの観点で2列目ばかり買い漁り、ストライカーが不在だったこともまた、監督の頭を悩ませた。加えて主将のリース・ジェームズ含めて、怪我人にも悩まされたことも追記しておきたい。

 振り返ると、こんな異常なシーズンを6位で乗り切ったことは十分成功とも思えるが、一部の上層部、特に共同オーナーのベフダド・エグバリ氏はポチェッティーノの手腕に懐疑的だったようだ。ちなみに今回の件だと、もう一人の共同オーナーのトッド・ボーリーは当初、ポチェッティーノの続投を望んだと言う報道もある。チェルシーもチェルシーで一枚岩ではないのだ。

 一部の取締役からは味方を得ていたものの、英メディア『ガーディアン』によるとチェルシーはポチェッティーノの戦術に懸念を抱いており、ある有力筋は内々に彼のトレーニング方法を「時代遅れ」と評していたようだ。結果、ローレンス・スチュワート、ポール・ウィンスタンリーら共同スポーツダイレクターとエグバリ、そして本人との2日間にわたる話し合いを経て、ポチェッティーノは退任となった。

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