明暗分かれた東京クラシック
【写真:Getty Images】
「サッカー人生で両サイドを同じくらいやってきたし、その感覚というのを違ったところで、違う形で特徴を出せる、というのが自分の武器でもある。今シーズンはそれを体現できていると思うし、次は流れのなかから自分の特徴をもってゴールを決められるように、貪欲にプレーし続けていきたい」
途中出場のエリキが復活の狼煙をあげるゴールを決めた町田のFW陣は、ヴェルディ戦で先発したチーム得点王のオ・セフン、途中出場のナ・サンホの韓国コンビ、セレッソ大阪との前節で決勝弾を決めたオーストラリア代表ミッチェル・デューク、運動量抜群の荒木駿太と多士済々な顔ぶれがそろった。
「FW陣はみんな点を取っているし、チームにとってはものすごくいい状態なので、そこに僕も食らいついていけるように、そしてポジションを確保できるように結果を出していけばチームも勝っていく。その意味でも、これからの1試合1試合を大事にしながら戦っていきたい」
激しくなる先発争いを歓迎した藤尾は、守備での役割もまっとうしたとヴェルディ戦を振り返った。
「ヴェルディは7番の森田(晃樹)選手にボールが入ると攻撃のスイッチ入る、というのはわかっていたので、そこに入れられんようにケアしながら、前線からのプレスもやめないように意識しました。ヴェルディも無得点でしたし、あまりボールをゴールに運ばれていないので、いい形だったかなと思います」
ピッチ上で鮮明に描かれた明暗が、そのまま試合結果に反映される。2001年に生まれた藤尾と平河、そして山田のパリ五輪代表候補が両チームの主軸を担っている跡を示した東京クラシックは、勝者にさらなる成長への決意を、敗者に捲土重来の思いを抱かせてJ1での第1ラウンドを終えた。
(取材・文:藤江直人)