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Jリーグ 6か月前

「何でかな」「決めろよ」FC町田ゼルビア対東京ヴェルディで分かれた明暗。パリ五輪世代が抱いたそれぞれの思い【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「後半は、と思っていたところやったので…」



「一番可能性があったのはこっち(右サイド)やったし、後半は、と思っていたところやったので」

 決して城福監督の采配を批判しているわけではない。それでも前半のプレーを自分なりに振り返ったときに、ベンチへ下げられた理由が思い浮かんできた。それは会見で「普段競争がないと思われるポジションの選手が、今日はよくなかった」と指摘した指揮官の言葉と一致していた。山田が続ける。

「ゴールエリア付近で自分がボールをもてば、もっとチャンスになったし、その意味でもいつでも縦にいくよ、みたいな姿勢というものをもっと見せなきゃいけなかった。縦への攻撃をひとつ見せれば、おそらく中にもいろいろといけるシーンもあったはずだし、それを逃さずにやっていかないと上(のレベルの選手)にはいけない。何て言うのかな、もっと自分主導でやってもいいのかな、というのはあります。もっと自分が引き出して、もっともっと要求してもいいのかな、と」

 城福監督も直接FKを巡る懲罰の意味合いで、交代を命じたわけではないだろう。先発としてピッチに立ち続けるためには何が必要なのか。采配を介して何かを感じ取ってほしいという思いを込めて、この先も見すえて非情に徹した。そして山田は試合後の時点で、自らの課題をすでに客観視していた。

 町田はどうなのか。現在進行形で成長を遂げる平河や藤尾の姿に目を細めながら、それでも黒田監督は球際の激しさと素早いトランジションを怠らない姿勢、そしてハードワークの3点で相手を上回れとすべての選手に要求してきた。相手にはチーム内の選手も含まれる。激しい競争がそこにある。

 ヴェルディ戦の70分からはルーキーイヤーの昨シーズンから得意とし、U-23日本代表でも主戦場としてきた左サイドハーフへスイッチ。攻守両面で走り回った平河は、ゴールへの思いを新たにした。

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