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Jリーグ 6か月前

「何でかな」「決めろよ」FC町田ゼルビア対東京ヴェルディで分かれた明暗。パリ五輪世代が抱いたそれぞれの思い【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「よく勝利至上主義と言われていますけど…」



「時間を分断する行為がものすごく多い。もうプレーできないのか、と思われるくらいに痛がって、直後に立ち上がって普通にプレーを始める。これが繰り返されるなかでよく我慢した」

 城福監督はアクチュアルプレーイングタイムの少なさも指摘した。たとえば町田の十八番と化していたロングスロー。投げる前にあらかじめ用意してあったタオルで、スローワーがボールの表面を拭く行為が時間を余計に消費させると批判され、直後の試合では町田のロングスローのたびにブーイングが起こった。

「ルール上でダメというわけでもない以上は、われわれの武器として使っていくし、相手にクレームをつけられる理由もない。いろいろと言う方はいますけど、いちいち答える必要はないと思っています」

 ロングスローに対してこう反論した黒田監督は、球際でのインテンシティーの強さと攻守の切り替えの速さを前面に押し出し、ロングボールやセットプレーを重用する町田の戦い方にも胸を張っている。

「よく勝利至上主義と言われていますけど、勝利至上主義と勝利にこだわる姿勢、細部にこだわっていく姿勢はまったく違う。われわれは相手を常にリスペクトしながら戦っている」

 お互いが信じた道を突き進み、町田はJ2を制してクラブ史上初の、ヴェルディは清水エスパルスとのJ1昇格プレーオフ決勝で引き分けて16年ぶりのJ1昇格を果たして迎えた今シーズン。J1で初めて実現した東京クラシックを終えた直後の公式会見で、城福監督は第一声を「完敗でした」と切り出した。

「こういった結果になってしまったのは、準備の仕方への反省とやはり競争力。本来ならば高いレベルで競争を制した選手がピッチに出ていくなかで、このチームにとって一番の課題である競争力の問題が露呈したと感じている。競争力があるチームに変えて、この大敗を次に活かしたい」

 メンバーをほぼ固定して戦ってきた開幕以降の軌跡を振り返りながら、指揮官はさらにこう続けた。

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