RMF:コール・パーマー(チェルシー)
【写真:Getty Images】
生年月日:2002年5月6日
リーグ戦成績:34試合22得点11アシスト
今季のプレミアリーグで最も評価を高めたのはコール・パーマーだろう。実質、今シーズンが初のプレミアリーグ挑戦だったと言っても過言ではないほど前所属のマンチェスター・シティでは出番が限られていたが、チェルシー移籍をキッカケに覚醒。得点関与数33はプレミアリーグで1位の数字となっている。
卓越したスキルと落ち着いたフィニッシュが魅力のレフティーは、フラムとの第7節からスタメンに定着した。ここから一気に頭角を現すと、ほぼ毎試合のように得点に絡み、マウリシオ・ポチェッティーノ監督率いるヤング・チェルシーの象徴的な存在となった。
中でも強烈なインパクトを残したのが、ハットトリックを達成したマンチェスター・ユナイテッドとの第31節である。90+9分まで2-3で負けていたチェルシーをPK弾と相手の隙を突く一撃で見事逆転に導いた。この試合あたりからチェルシーは調子を上げて、最後は怒涛の5連勝でフィニッシュ。シーズン途中まで中位でのフィニッシュが濃厚だった強豪を最後は6位まで引き上げた。誰もが納得するベストイレブン入りだろう。
DMF:デクラン・ライス(アーセナル)
【写真:Getty Images】
生年月日:1999年1月14日
リーグ戦成績:38試合7得点9アシスト
アーセナルがウェストハムに支払った1億1660万ユーロ(約163億円)もの移籍金が安く思えるほどのパフォーマンスだった。
今シーズン、デクラン・ライスはプレミアリーグで全38試合に出場した。シーズン後半戦からはウェストハム時代のようにセットプレーのキッカーも任されて得点に絡む機会が増え、7得点9アシストとFW並みの成績を残している。
このイングランド代表MFほど攻守に無理が効く選手はいないだろう。仮に相手選手に前を向かれた状態でも自慢の快速で追いつき、ノーファウルでボールを奪い切る。シーズンを通してチーム最多の83のタックルを成功させながら、貰ったイエローカードは5枚のみ。特に体力的に万全だったシーズン序盤は全く警告を受けず、最初にイエローカードを貰ったのは12月のアストン・ヴィラ戦だった。
アンカーで出場した際のポジショニングの悪さが指摘されることもあったが、それをオンザボールの能力でカバーしてしまうほどの圧倒的な存在感で中盤を支配し続けた。プレミアリーグ年間最優秀選手賞はフィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)に譲ったが、彼もそれに相応しいほどの圧倒的な活躍だったと言えるのではないだろうか。ベストイレブンに選出されて当然の結果だろう。
DMF:ロドリ(マンチェスター・シティ)
【写真:Getty Images】
生年月日:1996年6月22日
リーグ戦成績:34試合8得点9アシスト
今シーズンもロドリの“不敗神話”が破られることはなかった。マンチェスター・シティの中盤の底に君臨するこのスペイン代表MFは、ジョゼップ・グアルディオラ監督のチームの心臓であり、出場停止でメンバー外となったリーグ戦3試合すべてで敗れたことがその重要性を際立たせている。
出場停止とターンオーバー合わせて4試合を欠場した中で、成功させたパス本数3359本はリーグダントツ1位の数字だ。360度の視野が求められるアンカーの位置でそれだけのパスを出しながら、成功率は92.5%と驚異的な数字を叩き出している。このスタッツからもわかるようにロドリがいることで、マンチェスター・シティのポゼッションが安定する。
危機察知能力の高さも際立っており、的確にピンチの芽も摘む。攻守において万能な理想的なアンカーと言えるだろう。そしてシーズンを追うごとに増しているのが得点関与数で、今シーズンは得点とアシストでキャリアハイを更新。8得点9アシストというFW並みの数字を残した。それも大一番や重要な局面でのゴールやアシストが際だっており、優勝が懸かったウェストハムとの最終節でも試合を決定づけたのはこの男の理不尽な一撃だった。
LMF:フィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)
【写真:Getty Images】
生年月日:2000年5月28日
リーグ戦成績:35試合19得点8アシスト
フィル・フォーデンは昨シーズンの時点ですでに「スーパー」な存在だったが、今シーズンの活躍を経て正真正銘の「スペシャル」な選手へと進化した。プレミアリーグの年間最優秀選手賞を受賞しており、当然ながらベストイレブンにも選出した。
これまでのキャリアハイは昨シーズンの11ゴールだったが、今シーズンはそれを大きく更新する19ゴールを記録。それも簡単なゴールではないゴラッソが多く、ボックス外から決めた6ゴールはプレミアリーグに留まらず欧州5大リーグでも最多の数字だ。相手GKからすれば理不尽でしかない、ゴール角上に突き刺すシュートのクオリティは図抜けている。
そして迎えた優勝が懸かったシーズン最終節ウェストハム戦でも殊勲の2ゴールを記録。2分に生まれた先制点も前述した理不尽なミドルシュートだった。ジョゼップ・グアルディオラ監督の下でデビューを飾った若き才能は、バルセロナでのリオネル・メッシのようにクラブを象徴する世界最高峰の選手へと大きく飛躍を遂げた。