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Jリーグ 6か月前

ヴィッセル神戸は「ここから」。酒井高徳らが引き上げるべき“基準”「長谷部さんや岡崎さんが敷いたレールを…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

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明治安田J1リーグ第15節、鹿島アントラーズ対ヴィッセル神戸が19日に行われた。連勝を「5」に伸ばしたかった神戸だが、0-1の完封負けを喫している。昨季のJ1王者は、この敗戦をいい教訓にできるか。酒井高徳らは、引退を決意した長谷部誠や岡崎慎司らが示してきた基準をクラブに還元する必要がある。(取材・文:元川悦子)

▽著者プロフィール:元川悦子

1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

万全の状態で鹿島アントラーズ戦へ

ヴィッセル神戸
【写真:Getty Images】

 今季序盤はなかなか連勝街道を歩めなかったものの、5月に入ってから4連勝で首位を固めつつあった2023年J1王者のヴィッセル神戸。吉田孝行監督は6日のアルビレックス新潟戦で大迫勇也、武藤嘉紀、山口蛍、酒井高徳の「ビッグ4」とも言うべき面々を揃って温存して勝ち切るなど、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)が入ってくる先々を見据えてチームの幅を広げるトライも進めているところだ。

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 しかしながら、5月19日の鹿島アントラーズとの上位対決は最強メンバーで挑むべき一戦と位置づけたのだろう。上記4人に加え、佐々木大樹や宮代大聖らもスタメンに抜擢し、万全の状態で5連勝を狙いに行った。

 アウェイの鹿島戦は2012年以来負けていない。昨季も4月15日の対戦は5−1と圧勝。大迫や武藤が確実にゴールしてくれれば、今回も負けるはずがない。彼らとしては王者の風格を改めて示したかった。

 開始早々の6分に左FW武藤のクロスに佐々木が飛び込み、クリアボールを拾った酒井が強烈な左足シュートをお見舞いするなど、神戸の入りは悪くなかった。

 神戸戦勝利に凄まじい闘志を燃やす鹿島の植田直通、関川郁万ら最終ラインに大迫がつぶされ、前線で起点を作れずに苦しんだものの、34分には仲間隼斗のパスをカットした武藤が決定機を迎える。これを決めていたら、神戸としてはかなり楽になっていたはずだが、佐野海舟にブロックされ、惜しくも得点には至らない。シュート数では5対2と前半は相手を上回ったが、スコアレスのまま試合を折り返すことになった。

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