ジョアン・ミレッが繰り返す魔法の言葉
「たとえば、フリーになっている相手にシュートを決められてしまったとします。おそらく大半はフリーにさせてしまった守備のせいにして、GKの責任は問わないのではないでしょうか。
ですが、私は“なぜ”そのシュートを止められなかったのかという考え方でアプローチします。シュートに対するアクションは正しかったのか、シュート以前にGKが防げる機会はなかったのかと分析していきます。そのように考えなければ、気づきはなく向上は得られません。ただ守備の選手のみに責任を負わせていては、プレーしているGK本人すら気づきを得られず成長機会を失ってしまうのです」
ミレッは著書にて魔法の言葉と表現して、「Porque」が大事と説いている。「Porque」は日本語に訳すると「なぜ」になる。著書でも「『なぜ?』と常に何に対しても考え続けたと講じている。実際にミレッはあらゆる失点に対して、「なぜ?」とGKのプレー機会について考察している。
ミレッと同じように失点シーンについて、「なぜ?」と考察することがGKへの理解を深めるスタートになることだろう。
(取材・文:川原宏樹)
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