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「失点の責任は私にある」浦和レッズ、ジョアン・ミレッGKコーチが西川周作のプレーを解説。「なぜミスしたか」の本質

text by 川原宏樹 photo by Getty Images

「GKは大きくて速い方がいい。でも…」高いレベルを目指すには



「前節のサンフレッチェ広島戦は0-2で負けました。そういった背景からミスを怖がって、できるプレーができていませんでした。それは、このような状況下でのプレーに対する恐れやプレッシャーを軽減できないまま試合に臨ませてしまった私の責任です。メンタル的な準備ができていなかったと反省しています。それで第3節の北海道コンサドーレ札幌戦ではそのようなメンタル的な障害を外すことをテーマとして練習に取り組みました。その結果、札幌戦はいい状態で試合に臨めました」

 GKへの理解のヒントとして西川周作のプレーを例示したミレッは、「GKのプレーは精神面が大きく影響する」と説き、トレーニングの本質的な部分にふれて説明を加えた。

「GKはフィジカル的に強く大きいほうがいいし、スピードも速いほうがいい。しかし、頭を鍛えなければ、精神的に安定したプレーは臨めません。精神的な弱さは誰しもが持っているので、私はまずメンタル面の強化から図ります。その強化にはシチュエーションに対する解像度を上げる必要があります。どういった状況が想定されて、その状況下ではどのような答えがあるのかを理解できれば、自ずと怖さはなくなります。

 次に技術があります。その答えに対する具体的なやり方というわけです。そして、最後にフィジカルの強化があります。導き出した答え、身につけた技術をより広範囲で生かせるようになるためです。理解、技術、フィジカルといった順で循環させて、より高いレベルを目指しています」

 頭のトレーニングから取りかからなければならないと論じるミレッは、時にトレーニングの大半を理解の時間に費やすこともあるという。極論ではあるが、理解がなければボールを使った練習は無意味とすら考えている。

 加えて、ミレッが想定するシチュエーションは果てしない。常にGKのプレー機会について考察している。

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