「久保建英はものすごく特殊。不思議な身体の使い方をしている」
前田大然は体幹が固まっていることがしばしばで、股関節人間のように見えるが、動きの内容、その日の調子やコンディションにより、骨盤が動いているときもあるそうだ。◯◯人間はゼロヒャクではないので、逆に三笘にしても、骨盤の動きを使えていないときはあるそうだ。
一方、河口氏から見て、かなり異質というか、理解するのが難しい身体の使い方をしているのが、久保建英だと言う。
「本当に面白いです。巷で高重心と言われる久保選手ですが、骨盤姿勢なのに、仙腸関節が固まっているので骨盤は動いておらず、動き方としては股関節人間です。高重心の姿勢を作りながら、低重心の身体の使い方をしている。
僕らの目線で言えば、久保選手はものすごく特殊ですね。もちろん、これだけ活躍している選手なので、イチローさんもそうですが、股関節でも世界を取ろうと思って取れないことはない。圧倒的に努力が必要ですが、駄目とは言えません。不思議な身体の使い方をしているな、という印象ですね。
もしかすると今後、あるいは既に、そのことが彼自身が抱えるプレーの課題や、怪我、慢性的痛みなどに表れる可能性はあるので、気にかけておいたほうがいいかなと思います」
今回ここで挙げた日本代表選手で言えば、骨盤を動かしているのは、三笘、伊東、前田、久保の順とのことだ。少しマニアックだが、次に試合を観ることがあれば、そんなところも興味深く見られるかもしれない。
(取材・文:清水英斗)
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