「それが今のチーム状況」本来の姿を取り戻せるのか

“ミシャ”ことミハイロ・ペトロヴィッチ監督は「4、5点取ってもおかしくないだけのチャンスは作っていたと思うが、スコアは1-0で、最後まで冷や汗をかく戦いだった。それがいまのチーム状況であり、まだまだチームとしてやらなければいけないことはある」と振り返る。もちろん追加点のチャンスはあったが、90分を通して見ると、まだまだ複数得点を取って相手を仕留めるための課題は多いように思う。

　それでも浅野の得点までの流れのところは確かに、相手に襲いかかるような本来の札幌が見られた時間帯だった。そうした状況を多く生み出すために、ボールを回すところと縦に勢いを出していくメリハリを意識していくことで、札幌らしいアタッキングフットボールが蘇ってくる。

「1点目を取ったことよりも、2点目を取れなかったことを重視したい」と浅野が語るように、1-0という結果は攻撃面では物足りないし、正直、ジャーメイン良を怪我で欠く磐田の“拙攻”に助けられた部分もある。それでも札幌にとっては大きな勝ち点3であるとともに、本来の札幌を取り戻し、浮上していくためのヒントが見られた試合でもあった。

（取材・文：河治良幸）