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Jリーグ 2か月前

3分間に凝縮された復活のヒント。北海道コンサドーレ札幌は何が変わったのか?「監督から指示は出ていた」【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

「意図的に監督から、そういう指示は出ていました」



 これまでの試合でも札幌はボールを動かしながら、相手陣内に人数をかけるという攻撃は見せていたし、3-0で敗れた前節の川崎フロンターレ戦も最初の失点までに何度かあったチャンスの1つを決め切れていたら、結果が大きく変わっていた可能性もある。しかしながら磐田戦の札幌はボールを奪った瞬間に縦を意識して、短い時間で人をかけていく攻勢が実を結んだ。これは札幌が本来目指している形だ。

 ボールを動かしながら、後ろの選手も攻撃に関わっていくというのは、相手に引かれたり、押し込んだところからの手段としては有効だが、縦に素早く攻めていくべき状況でも後ろで回してしまったり、横パスを選択して縦にギアが上がらない傾向が強かった。それが磐田戦の先制までの流れは違っていた。その理由についてMF宮澤裕樹は「意図的に監督から、そういう指示は出ていました」と語る。

「長いスプリントだったり、(浅野)雄也がシャドーに入って、ワイドが(近藤)友喜だったり。チェック(スパチョーク)だったり、(駒井)善成もトップに入ってましたけど、縦にスピードのある選手が多いので。チャンスがあれば速い攻撃に持っていこうというのはありました」

 また得点の後で、やはり攻撃がゆっくりしてしまったところに対しても、ハーフタイムに共有して、後半はまたチャンスがあれば、どんどん前に仕掛けていこうという意識を確認したという。実際に後半立ち上がりの15分間ぐらいは札幌に追加点が入ってもおかしくないシーンが何度か見られた。やはりボールを握る中でも縦の意識、そして攻撃の連続性というものを出していかないと、チャンスというのはどうしても断続的になるし、点で合わせにいく攻撃が増えて、相手ディフェンスも守りやすくなってしまう。

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