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Jリーグ 6か月前

名古屋グランパスの方向性は正しい。しかし…。ボール保持・非保持の制度設計から「粗」が浮かび上がる【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by らいかーると photo by Getty Images

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 オフに藤井陽也や中谷進之介といった守備の中心選手が抜けた名古屋グランパスは、浮き沈みの激しいシーズンを送っている。3シーズン目の指揮となる長谷川健太監督の下で、名古屋はどのようなサッカーにトライしているのか。ボール保持、非保持の両面における名古屋の制度設計に焦点を当てる。(文:らいかーると)

著者プロフィール:らいかーると

1982年、浦和出身。とあるサッカーチームの監督。サッカー戦術分析ブログ「サッカーの面白い戦術分析を心がけます」主宰。海外サッカー、Jリーグ、日本代表戦など幅広い試合を取り上げ、ユニークな語り口で試合を分析する人気ブロガー。著書に『アナリシス・アイ ~サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます~』『森保JAPAN戦術レポート 大国撃破へのシナリオとベスト8の壁に挑んだ記録』がある。

急降下から急上昇。不安定な名古屋グランパス

名古屋グランパス
【写真:Getty Images】

 サガン鳥栖、川崎フロンターレと続いた隔週Jリーグのコーナー、今回は名古屋グランパスの巻。欧州のリーグ戦と比較すると、どのチームが優勝するかわからないJリーグは魅力的と言われている。今季はその流れをさらに加速させているため、現時点でも首位から二桁順位までのポイント差は文字通りに逆転が可能な範囲となっている。順位に一喜一憂したいところだが、毎節ごとに順位が目まぐるしく変化する状況では、順位によるチームの評価は危険となるだろう。今日の上位が明日の二桁順位まで下がることも現実だからだ。

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 本題の名古屋の今季は、ジェットコースターのような道のりになっている。悪夢の開幕3連敗から、無敗のセレッソ大阪に土をつけた7戦無敗からの、ボールを持てど結果がついてこなかった浦和レッズ、ヴィッセル神戸との試合を経て、またまた無敗のサンフレッチェ広島を倒して勢いに乗るかと思いきや、ガンバ大阪に完敗と、情緒が不安定になりそうな日々となっている。

 本題に入る前に、少し前のチャンピオンズリーグファイナルを思い出してみよう。ディエゴ・シメオネに率いられたアトレティコ・マドリードはボール非保持の局面で猛威を振るっていた。ときはペップ・グアルディオラにおいて、ボールを保持するサッカーが全盛の時代、そんなボール保持対策として、ゲーゲンプレスや撤退守備からのカウンターがメタとして活躍していた時代でもある。

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