リュディ・ガルシア(ナポリ)
【写真:Getty Images】
生年月日:1964年2月20日
今季リーグ戦成績:12試合6勝3分3敗(4位で退任)
昨シーズンにナポリは圧倒的な強さを見せつけて33年ぶりのスクデットを獲得していた。このタイトルを置き土産にルチアーノ・スパレッティが勇退し、後任にはかつてローマを率いた経験のあるリュディ・ガルシアが就任している。
リール時代にリーグ・アン制覇を筆頭に、先述したローマやマルセイユ、リヨンなどの名門クラブを率いた経験からリーグ2連覇やUEFAチャンピオンズリーグ(CL)での躍進が期待されていたが、それは夢に終わった。成績そのものはセリエAの12試合で6勝3分3敗とそこまで悪くはないが、痛恨だったのが大エースのヴィクター・オシムヘンとの確執である。
ボローニャとの第5節でPKを失敗したオシムヘンをベンチに下げると、采配に不服だったナイジェリア代表FWは激怒。その後、指揮官に謝罪をしたようだが、チーム内の空気は目に見えて悪くなっていった。10月頃から監督交代が噂されると、エンポリとの第12節にてホームで完封負けを喫したことが決定打となって解任されている。
通常であれば解任されるような成績ではなかったが、ナポリの顔とも言える選手との確執は今シーズンに限らず、チームの将来に悪い影響を与えてしまう可能性がある。早々にガルシア監督の首を切ったアウレリオ・デ・ラウレンティス会長の決断は英断と言えるが、後任のワルテル・マッツァーリの下でチームはさらに失速。同氏も2月に解任され、現在はフランチェスコ・カルツォーナ監督がスロバキア代表との兼任という形で率いている。現在8位と欧州カップ戦出場権獲得の可能性も残されているが、前年王者が2度の監督交代に見舞われてタイトル争いと無縁のシーズンを過ごしているのは屈辱的なことであり、その原因の一つとなったガルシア監督招聘は大失敗だった。
【了】