「吉田麻也はヒザ人間」「イチローは股関節人間」
「サッカーだけではなく、他のスポーツもそうですが、自分が見ている選手以外には興味がなく、本当に知らなかったのですが、対戦相手に一人だけ、かなり極端にヒザでプレーする低重心の選手がいました。引きの映像ではわからなかったのですが、それは吉田麻也選手でした。重心が年を追うごとに低くなっていて、ヒザ人間のデメリットを内包しながらプレーしています。でも、あれだけ活躍できているので、ヒザ人間が絶対に駄目とは言わないです。圧倒的に不利なのは間違いありませんが。
野球で言えば、引退しましたが、イチローさんは股関節人間でした。おへその辺りを固めて、股関節で動くから、それより上部の仙腸関節は動いていません。日本では丹田に力を入れ、丹田を土台にして固める考え方が古くからありますが、股関節人間にとっては、丹田は正解です。ヒザ人間よりは良いでしょう。
ただし、骨盤から動く人に比べれば、やはりパフォーマンス上、不利であるのは間違いありません。イチローさんは骨盤から動いていないのに、それでもあれだけの選手になったので、吉田選手もそうですが、どうにかする方法、競技的にカバーする方法は当然あると思います。ただ、骨盤から動くのが当たり前の海外の選手と戦うと、不利益を被る、ということですね」
低重心のヒザ人間、股関節人間、高重心の骨盤人間。それぞれの身体の動かし方により、サッカーのプレーに多くのメリット、デメリットが生じる。ここでは一部を紹介したに過ぎないが、多くの影響があることはわかった。
第三回はこれらの『◯◯人間』の見分け方、さらに現在の日本代表選手の特徴について河口氏の見解を伺っていきたい。
(取材・文:清水英斗)
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