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Jリーグ 2か月前

「吉田麻也はものすごく重心が低い」サッカーで圧倒的に不利な「ヒザ人間」。技術を向上させる「骨盤人間」との差に注目する

シリーズ:4xCORE(クアトロコア) text by 清水英斗 photo by Getty Images

ワンテンポ遅いヒザ人間は「力をロスしている」

バンクーバー・ホワイトキャップスに所属する高丘陽平
【写真:Getty Images】


「ドリブルするとき、ヒザ下でボールを押すと、反動で上半身を置いてくる形になります。何でもそうですが、四肢を動かすと、必ず反動が起こります。ヒザ人間はそれを手直ししながら前へドリブルで進むので、ぎこちなく、力をロスしています。

 ところが、骨盤で動く人は重心ごと前へ動き出し、真下に置いたボールと身体が一緒に進むので、こうした四肢の反動が起こらないのです。三笘薫選手のドリブルが、まさにそれですね。地面の反力をもらいながら、前進の力をロスせず、スムーズにドリブルしています。

 ターンもそうですね。これはDF側も同じですが、骨盤で軸を傾けて止まると、骨盤はそもそもエネルギーが強いので、スピードに乗っていても、一歩で止まれたりします。ところが、ヒザ人間は四肢の筋肉に頼って止まろうとし、その力は骨盤に比べると弱いので、止まるのに2~3歩かかってしまいます。これだけの差があると、DFが間合いを詰めるのも容易ではないと思います」

 仙腸関節を動かし、骨盤から動作を始めるメリットはまだ他にもある。が、一旦この辺りで止めておこう。

 河口氏のパーソナルトレーニングジム『JPEC SHIROKANE』は多競技のアスリートを担当し、サッカー選手も多く通っている。しかし、海外でプレーする選手はジムに来ることができないので、基本的にはオンラインで対応をしている。

 MLSのバンクーバー・ホワイトキャップスでプレーするGK、高丘陽平もその一人だ。日本とバンクーバーは16時間の時差(3月~11月)があり、ほぼ昼夜がひっくり返るが、アスリートは規則正しい生活をすることが大事なので、河口氏は日本の真夜中にオンラインで、彼らの指導対応を行っている。

 そして、その高丘のプレーをチェックしようと、たまたまMLSの試合を視聴したときのこと。対戦相手はロサンゼルス・ギャラクシーだった。

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