「本当に歯が立ちませんでした…」アメリカでアフリカ系選手に受けた衝撃
メソッドの発案者であり、指導を実践するのは元プロアメリカンフットボール選手のトレーナー、河口正史氏だ。メソッドを確立させるきっかけは、自身の海外経験だったと語る。
「元々僕は日本の大学でプレーしていましたが、プロ選手になるために海外へ行こうと思い、その前に1年間丸々、一般的なベンチプレスやスクワットなどに取り組み、トレーニング浪人をした上で、充分な自信を持ってアメリカへ渡りました。チームのキャンプには80人ほど集まりましたが、現地でテストをした結果、僕のウエイト数値は2番目くらいに高かったし、もう自信満々でしたね。
ところが、フィールドに出たら、全然歯が立ちません。自分よりも体重が15キロも軽い選手に当たり負けしてしまうのです。数値は2番目だったのに、フィールドに出たら、僕はむしろ下から2番目で、本当に歯が立ちませんでした。
外国人選手たち、特に僕の中ではアフリカ系の選手ですが、彼らの身体の動かし方を見て、これは明らかに違うな、と感じました。その後も36才までアメフトを続けましたが、どうすればアフリカ系の選手のように動けるのかを突き詰め、アメフト人生なのかトレーニング人生なのか、わからない過ごし方をしました。結局何となく見えたような、見えないような感じで引退しましたが、その2年後くらいです」
河口氏はパフォーマンスの違いを生む、決定的な要因を知ることになる。それは腰の辺り、骨盤の中にある『仙腸関節』と呼ばれる部位だった(写真)。