フットボールチャンネル

Jリーグ 10か月前

「少しビックリした」3位浮上、鹿島アントラーズの変化とは? 大型連休3連勝の原動力【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

チャヴリッチのスーパーサブ起用が希望に



 そこから前半は終始、鹿島ペース。彼らはタテに速い攻撃を意識し、ロングパスや大きなサイドチェンジを多用。師岡や鈴木優磨が次々と決定機を迎えた。しかし、それを決めきれないのが、今の鹿島なのだろう。

 中盤・守備陣をメンバー固定した中での連戦・3戦目ということで、後半になれば必ず体力的に落ちてくる。だからこそ、前半のうちに勝負を決めておく必要があったのだが、それが叶わず、1−0で前半を折り返すことになってしまった。

 迎えた後半。長身FW木下康介を投入し、風上の強みを生かしてロングボールを蹴り込むようになった柏に対し、鹿島は劣勢を強いられ始める。そして後半65分に島村拓弥にワンチャンスをモノにされ、同点に追いつかれたのだ。

 さらにこの5分後には、マテウス・サヴィオのスピーディーなドリブル突破を止めようとした植田直通がペナルティエリア内でハンド。PKを献上してしまう。これを決められたら困難な状況に追い込まれるところだったが、サヴィオがまさかのPK失敗。九死に一生を得た鹿島は希望を持って戦うことができた。

 一進一退の攻防が続く中、彼らにとって大きかったのは、途中出場で送り出されていたチャヴリッチの存在だ。ポポヴィッチ監督の秘蔵っ子である助っ人FWは、今季開幕から鈴木優磨と並ぶ攻撃のキーマンと位置付けられたが、4月の連戦でコンディションが低下。小さなケガにも見舞われたという。そこで、この大型連休3連戦では先発から外れ、後半からギアを上げるスーパーサブの役割を託されていたのだ。

「監督とコミュニケーションを取った時、『自分はスタートから出れる』と言ったんですけど、監督は違う結論を出した。それには少しビックリしました。僕はキャリアを通してスタートで出ることが多かったですし、途中出場のウォーミングアップの仕方すら分かっていなかったので」

 本人が苦笑するように、途中出場はサプライズだったようだが、湘南戦で鈴木優磨とのホットラインからスーパーな3点目をゲット。短時間でも仕事ができる能力の高さを印象付けており、今回も連発が期待された。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!