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コラム 9か月前

サッカーU-23日本代表のまとまりは今大会限定?パリ五輪で壊れる可能性も秘める理由とは【西部の目/U-23アジアカップ】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by 2024 Asian Football Confederation(AFC)

使命を見事に果たした大会限定チーム



 激戦を制して優勝した今大会だが、大岩剛監督は「パリ五輪にはつながらない」と言っていたそうだ。真意はわからないが、実際今回のメンバーがそのままパリ五輪のメンバーになることはない。

 今大会は23人、五輪は18人の編成なので5人は外れる。さらに今大会には招集できなかった欧州でプレーする選手がいる。鈴木唯人、三戸舜介、斉藤光毅、福田師王、福井太智、小田裕太郎、チェイス・アンリは有力候補と言われていて、年齢的には久保建英、鈴木彩艶のA代表選手もオーバーエイジ枠にはならない。さらに3人のオーバーエイジも加わるとなると、今大会のメンバーの半分ほどしか残れないかもしれないのだ。

 力が接近していて、いわゆる「眼が揃っている」今回のチームはまとまりの良さが素晴らしかった。しかし、より進化するにはさらにハイレベルな選手が必要になる。すると今度は粒が揃わないのでまとまらなくなる可能性がある。極端なたとえになるが、現在のチームにキリアン・エムバペが突然加わったとしたら、あのスピードにパスを合わせなければならないわけで、そうするとミスが増えチームのリズムが壊れるかもしれない。ハイレベルな選手を加えたからといって、単純にチームが強くなるとはかぎらないのだ。

 とはいえ、一時的に今大会のようなまとまりが失われるとしても、より進化するために新たな選手を招集するだろうと思う。時間は少ないながら、ギャップを埋めることでより高い次元でのまとまりを目指すのではないか。五輪出場権を勝ち獲り、アジア王者にもなったチームは大会限定であって、この先には新たな競争と新たなチームがあるのだろう。

(文:西部謙司)

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