JFLからJ1へ。地道につけた力「ひとことで言えば…」
JFAアカデミー福島を経て国士舘大を卒業後、いわきFCに加入。主力選手としてほぼフルタイム出場で活躍し、JFL、J3、J2と毎年カテゴリーを上げてきた。そしてプロ4年目の今季、移籍という形でJ1へとまた1つ、ステップアップを果たした。「大卒でいきなりJ1やJ2のチームでスタメンとして活躍する力は、当時の僕にはなかったと思う。いわきFCに入って、毎年カテゴリーが上がっていく中で、少しずつ力をつけてこられた」と自負する。
クラブとしてフィジカルトレーニングに力を入れているいわきでは、運動量や守備の強度を身につけた。球際で当たり負けせずにボールを奪えることは大きな武器だ。また、大学時代から縦に速いスタイルのサッカーをしてきたことで、前線の選手の動き出しを生かすパスを得意とする。J1第10節を終えて、こぼれ球奪取数(38本)とスルーパス数(17本)でチームトップとなっていることが、プレースタイルを物語る。前節・FC東京戦(1●3)でも、10分、59分と松田詠太郎に通したパスからチャンスをつくった。ただスルーパス成功率自体は23.5%で、そこが伸びしろでもある。
ボランチのパートナー秋山は宮本について「ひとことで言えば、何でもできる選手。両足で蹴られるし、守備でつぶせるし、運動量も強さもある。欠けているところがない」と一目おいている。
J1第10節を終えた段階で、宮本は8試合に出場。うち7試合は先発フル出場と、着実に経験を積んでいる。4月27日に行われた前節・FC東京戦でも先発したが、今季最多の3失点を喫し、今季初のリーグ連勝を狙う一戦で、勝点で並ぶ相手に突き放された。
FC東京には昨季まで新潟のボランチとして8番を背負っていた高宇洋が在籍していたこともあり、新旧8番の対戦は注目を集めた。同い年で、中学生時代のナショナルトレセンから面識がある高とのマッチアップは「楽しかった」というが、カウンターから複数失点した試合の内容としては、課題が残るものだった。