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Jリーグ 4か月前

中島翔哉が浦和レッズを変えつつある。「できる選手なんですよ」。“10番”だからこそ任される特別なタスクとは【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

出場時間が増加「楽しんでプレーしていると…」



 今シーズンで初めて先発した20日のガンバ大阪戦に続いて、第1次森保ジャパンでも主戦場とした左ウイングで、中島は名古屋戦の試合開始を告げる主審の笛をピッチの上で聞いた。24日のガイナーレ鳥取とのYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦を含めれば、公式戦では3試合連続の先発となる。

 しかも5-2で圧勝した鳥取戦ではフル出場を果たし、55分とアディショナルタイムの93分にはゴールも決めていた。中3日で迎えた名古屋戦でも、連敗を2で止めた勝利の瞬間をピッチ上で迎えた。昨夏に浦和へ加入して以来、J1リーグ戦でフル出場したのは15試合目で初めてだった。

 それまでで最も長いプレー時間はガンバ戦の66分だった。9日間で3試合、246分にわたって躍動した中島の体に、後半途中からの短いプレー時間が続いていた起用法への反動や、公式戦で2試合連続フル出場した疲れはなかったのか。名古屋戦後の取材エリア。中島からお馴染みの「楽しい」が飛び出した。

「きついとか、そういった感じで無理をしながらプレーしているとつらくなるけど、楽しんでプレーしていると疲れも少ないので。試合がたくさんできて、むしろ嬉しいです」

 今シーズンから指揮を執るノルウェー出身のペア=マティアス・ヘグモ監督は、中盤の底にアンカーを配置する[4-3-3]を主戦システムに設定。左ウイングには関根貴大、復帰した松尾佑介(前ウェステルロ-)、大久保智明、新加入の渡邊凌磨(前FC東京)を先発で起用してきた。

 対照的に中島は途中出場でインサイドハーフか、もしくはシステムを[4-2-3-1]に変えたトップ下での起用がほとんどだった。一転して前節から左ウイングで先発起用し始めたのはなぜなのか。

「フィジカルコンディションのレベルが非常に高いところまできていて、自信を持ってプレーできている。シーズンが開幕した当初は選手たちを固定して使っていたが、いまはそこから発展させている」

 名古屋戦後の公式会見。中島の状態がようやくベストに近づいてきたと喜んだヘグモ監督は、チーム戦術を発展させる上で、29歳のアタッカーに特別なタスクを与えていると明かした。

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