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明治安田J1リーグ第10節、浦和レッズ対名古屋グランパスが28日に行われ、2-1でホームチームが勝利している。この試合では中島翔哉が浦和加入後初となるリーグ戦でのフル出場を達成。かつて日本代表で主力を張ったドリブラーこそ、浦和に変化をもたらす存在なのかもしれない。(取材・文:藤江直人)
中島翔哉に「パントキックを蹴りやすい」理由
【写真:Getty Images】
あえて難しい軌道を描くパントキックを選んだ。浦和レッズが2-0とリードを保ったまま迎えた87分。名古屋グランパスのルーキー、FW榊原杏太がゴールライン上から放ったクロスを両手でがっちりとキャッチした守護神の西川周作が、ひと呼吸置いてから得意技の封印を解いた。
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両手で持っていたボールを自身の前方へ軽くトスしながら、間髪入れずに左足を振り抜く。思わず見惚れてしまうほどの、正確無比で鋭い弾道で空間を切り裂く描くパントキック。それでも西川によれば、左タッチライン際を狙ったこの一撃にはいつもと異なる意図を込めたという。
「アウトサイドでちょっとスライスをかけて、落とすようなボールを蹴りました」
以心伝心というべきか。ボールの落下点に左ウイングの中島翔哉がポジションを下げてきた。後半途中から3バックの右に入った内田宅哉は、逃げていく軌道にうまく対応できない。もっとも、浦和の「10番」は次の瞬間、相手選手だけでなく、チームメイトたちの虚も突くプレーを繰り出した。
「ああいうのに対してワンタッチで中にパスを出す、といったプレーができる選手なんですよ。身長こそ低いんですけど、彼にはパントキックを蹴りやすい、というところがあるんですね」
西川の声を弾ませた中島のプレーは、右足によるワンタッチパスだった。軌道を完璧に読みながら、自陣へ戻っていく体勢でボールの落ち際で軽く利き足をヒット。慌てた名古屋のファウルで流れは切られてしまったものの、中央寄りにいたFWチアゴ・サンタナのもとへ確実にボールを届けた。
スライスしながら落ちるパントキックに対する一連の動きを即興で、なおかつ流れるようにプレーしながらチャンスの芽へと変える。西川が中島をターゲットにすえた理由がここにある。