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日本代表 7か月前

サッカーU-23日本代表は「計算されたチーム」。五輪も期待? 短期決戦に適している理由【西部の目/U-23アジアカップ】

シリーズ:西部の目 text by 編集部 photo by 2024 Asian Football Confederation(AFC)

早々に崩れたイラクのプラン



 10分に最初の決定機。藤田譲瑠チマからライン間の荒木遼太郎へ、さらにDF間の細谷真大へつないでシュート。U-23イラクの5-4-1での守備ブロックは隙間だらけである。

 11分、左サイドからアリ・ジャシムがカットインしてシュート。ジャシムのカットインはこの試合の最後まで脅威だったが、U-23イラク代表の攻撃で恐いのはほぼこれだけでもあった。

 U-23日本代表は左サイドの平河悠が鋭いドリブルで再三チャンスを作った後、中央を急襲して先制点をあげる。藤田からディフェンスラインの裏へ落す正確なパス、受けた細谷が慌てて戻るDFを小さいターンで外してすかさずシュート。ゴール右隅へ流し込んだ。藤田の顔が上がる瞬間、細谷はターンしながらDFの間をすり抜け、そこへ注文どおりのボールが来ていた。ゴール前でDFを外した反転の幅は最小限で、シュートのタイミングも早かった。

 33分には早々に負傷していたアルバンダルが交代。代わったファディルは身長180㎝で高さが武器のFWではなく、U-23イラク戦のプランはあっさりと崩れ去った。

 42分、U-23日本代表に2点目。左サイドでキープした大畑歩夢がボールを失いかけながら素早く体を入れて反転し、2人を置き去りにして中央へパス。ペナルティーエリアの外で受けた藤田はワンタッチで裏へ。荒木の飛び出しにピタリと合った。荒木は冷静にGKの横を抜くシュートを決める。

 大畑の粘り、荒木をとばして藤田へ出したパスも良い判断だった。藤田は持ち味の丁寧なワンタッチパスを送り、荒木の得点センスも見事。完全に崩し切っていた。

 後半もU-23日本代表の攻勢が続く。後半開始直後にジャシムの際どいクロスボールがあったものの、その後は松木玖生、山田楓喜が惜しいシュートを連発。ただ、一時的に攻め疲れたのか、その後は相手にボールを持たれ始める。

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