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日本代表 7か月前

サッカーU-23日本代表は「計算されたチーム」。五輪も期待? 短期決戦に適している理由【西部の目/U-23アジアカップ】

シリーズ:西部の目 text by 編集部 photo by 2024 Asian Football Confederation(AFC)

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サッカーU-23日本代表は現地時間29日、AFC U-23アジアカップカタール2024の準決勝でU-23イラク代表と対戦し、2-0で勝利。この結果、8大会連続12回目となるオリンピック(五輪)本戦出場を決めている。なぜ、危なげなく勝利することができたのか。(文:西部謙司)

▽著者:西部謙司
1962年9月27日生まれ、東京都出身。学研『ストライカー』の編集記者を経て、02年からフリーランスとして活動。95年から98年までパリに在住し、ヨーロッパサッカーを中心に取材。現在は千葉市に住み、ジェフ千葉のファンを自認し、WEBスポーツナビゲションでは「犬の生活」を連載中。サッカーダイジェスト、フットボリスタなどにコラムを執筆中。『ちょいテク 超一流プレーヤーから学ぶちょっとスペシャルなワザ』監修(カンゼン)、「サッカー右翼サッカー左翼」(カンゼン、)近著に『戦術リストランテⅣ』(ソル・メディア)、「ゴールへのルート」(Gakken) 、共著の『サッカー日本代表の戦術が誰でも簡単に分かるようになる本』(マイナビ)、『FCバルセロナ』(ちくま新書)がある。

不発だったU-23イラクのロングボール作戦

サッカーU-23日本代表
【写真:2024 Asian Football Confederation(AFC)】

 パリ五輪行きをかけた準決勝、U-23日本代表は2-0できっちりと勝利した。

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 序盤の焦点はU-23イラク代表のロングボール。188㎝のサリム・アフメド・アルバンダルをトップに起用し、そこへのロングパスを狙ってきた。イラク代表がアジアカップで日本代表を倒したときのやり方である。

 10分程度は蹴り合いになるかと思ったが、3分を経過したところで展開は落ち着いた。U-23日本代表が余裕を持ってビルドアップを開始している。

 U-23イラク代表の作戦が不発に終わったのは、木村誠二と高井幸大のCBコンビがアルバンダルにほぼ何もさせなかったこともあるが、それ以上にU-23イラク代表のプレッシングが不十分だった。長身FWへのロングパスという攻撃は、そのFWが直接シュートするわけではなく、こぼれ球を拾えるかどうかが成否を分ける。相手に拾われても素早くプレスして高い位置で奪い返す、相手のビルドアップを機能不全にさせるという狙いもある。相手の混乱とミスを狙った攻め込みだ。

 ところが、U-23日本代表は全く混乱しなかった。ロングボールはあってもサポートもプレッシングもないため、こぼれ球を拾って楽々と攻め返すことができた。ロングボールは蹴るけれどもリトリートして守るという相手の中途半端な戦い方に動揺することはなかった。

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