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横浜F・マリノス加入2年目の上島拓巳は、ハリー・キューウェル監督の信頼を勝ち取っている。昨季終盤の苦い記憶と向き合うことで、そのパフォーマンスは力強さを増す。AFCチャンピオンズリーグ準決勝2ndレグでは退場処分を受けてしまったが、上島への信頼が揺らぐことはない。(取材・文:藤井雅彦)
著者プロフィール:藤井雅彦
1983年生まれ。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、記者活動をスタートさせる。サッカー専門紙『エル・ゴラッソ』では創刊時から執筆し、06 年途中からマリノス担当に。 現在はサッカー専門誌などにも多数寄稿。「現場に勝るものなし」を信条に、担当クラブのいまを追っている。 ウエブマガジン『ヨコハマ・エクスプレス』 主筆
開幕から不動の地位を築き続ける上島拓巳
横浜F・マリノスの最終ラインに背番号15が仁王立ちしている。もはや日常になった光景である。
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2月14日のACLラウンド16バンコク・ユナイテッドとのアウェイゲームを皮切りに、4月7日のリーグ第7節ヴィッセル神戸戦までの公式戦11試合にフル出場。神戸戦から中2日で臨んだガンバ大阪戦ではその後のACL準決勝なども見据えて“有給休暇”を与えられた格好となったが、シーズン序盤の横浜FMを支えたのは紛れもなく上島拓巳だった。
先発出場し続けた理由として、センターバックの台所事情が苦しかったという事情や背景はたしかに存在する。昨年8月に大怪我を負った畠中槙之輔が開幕に間に合わず、ベテランの實藤友紀もキャンプで全体練習に参加できなかった。永戸勝也や小池裕太、加藤聖と左サイドバックを本職とする選手が3人も不在のため、新加入の渡邊泰基はセンターバックに専念できない。
そこでハリー・キューウェル監督はキャンプからエドゥアルドと上島のコンビがファーストセットとして固定。その他のポジションはさまざまな組み合わせやコンバートを試したが、センターバックだけは一度たりとも動かさなかった。動かせなかったという見方もできるが、チャンスを得た上島が期待を上回るパフォーマンスを見せ続けたのである。
特にストロングポイントを発揮したのが山東泰山との再戦となったACL準々決勝だ。