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【冨安健洋・分析コラム】対人で負け続けても…。アーセナルの起用は絶対的に正しかった。その理由とは?

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

データ上で冨安健洋の評価が伸び悩んだ理由


 冨安は1月に行われたアジアカップ以降負傷離脱が続いていたが、3月末に行われたマンチェスター・シティ戦で復帰。4月17日に行われたバイエルン・ミュンヘンとのUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝2ndレグで昨年11月以来のスタメン出場を果たしていた。

 今週のミッドウィークに行われたチェルシー戦でも先発メンバーに名を連ねた冨安だが、そのコンディションはベストではないだろう。バイエルン戦ではレロイ・ザネ、チェルシー戦ではノニ・マドゥエケ相手に止めたシーンもあったが、その一方で簡単に振り切られるシーンも散見された。

 実際に今節も右WGで先発出場したデヤン・クルゼフスキと後半途中からそのポジションに入ったブレナン・ジョンソンに1対1で苦戦。試合のトータルで見ると地上戦は8戦1勝とほぼ勝てず、クルゼフスキが右WGでプレーしていた64分までは6戦全敗だった。空中戦でも2戦0勝に終わり、デュエルの局面での苦戦が「5.9」というワースト評価につながったと考えられる。

 彼らに簡単に突破を許したことを踏まえても調子は良くないのだろう。

 それでもアルテタ監督がオレクサンドル・ジンチェンコやヤクブ・キヴィオルではなく日本代表DFを起用したのは意図がある。それは冨安の方が“序列が高いから”などの抽象的なものではなく、対トッテナムを踏まえての人選だった。

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