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セリエA 7か月前

「出来が悪い時も…」眠っていた巨人・スカマッカはなぜ覚醒したのか。変化のきっかけとは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

スカマッカが変わったきっかけは?



 以前と同じように、1トップでプレーすることもあれば、2トップの一角として起用されることは変わらないが、とにかく、バイタルエリアからのシュートが冴え渡り、シュートと見せかけてのスルーパスやフリックも効果的だ。戦術的には大きな変化はなく、心理的な要因が影響していると考えられる。

 アタランタを率いるジャン・ピエロ・ガスペリーニが、2月25日のミラン、同28日のインテルとの上位対決を控えていた直前に、調子の上がらないスカマッカに不満を示していた。1月27日のセリエA第22節、ウディネーゼ戦を最後に得点がないFWに対し、「態度は良いし、前向きで、良い働きもする」と評価した上で、「唯一の問題は、すでに偉大なスーパースターとみなされていることだ。それはあり得ない。そうなるためには、ハードワークしなければならない。素晴らしい試合をするときもあるが、出来が悪いときもある」と言及。ウェストハムから、500万ユーロ(約7億円)のボーナスがつく2500万ユーロ(約35億円)で獲得しながらも、このときまでリーグ戦で6ゴールと物足りない結果のスカマッカに、奮起を促した。

 ミラン戦は、ベンチから24分間の出場で得点はなし。インテル戦は、ベンチで0-4の完敗を見届け、出番はなかった。さらに、3月16日、アメリカで開催されたベネズエラとエクアドルとのテストマッチ2連戦に向けたイタリア代表メンバーに名を連ねられなかった。スカマッカは、代表Aマッチで15試合に出場しているが、1ゴールのみ。13試合目の代表戦だった昨年10月17日に開催されたユーロ2024予選のイングランド戦で挙げた1ゴールが、唯一の得点だ。

 ルチアーノ・スパッレッティ監督が、スカマッカに代わって招集したのは、ウディネーゼのロレンツォ・ルッカ。ポゼッションが低く、決定機が乏しいチームの中で、2m1cmの長身FWは、それまでの今季のセリエAで7得点とスカマッカを上回る得点をマーク。“巨人枠”には、スカマッカではなく、ルッカが選ばれる形となった。多くのイタリアメディアは、スカマッカの招集外を驚きを持って伝えたが、スパレッティにとって、スカマッカがプロジェクトの中心ではないことが明るみに出た形となった。

 しかし、これがスカマッカにとって結果として、“ショック療法”となった。

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