「いろいろな人の思いが積み重なって」たどり着いた決勝
【写真:Getty Images】
「試合中に決められたPKで、シゲさんに指示された方に飛んだら逆に来たこともあったので、情報はもらいながらもどうしようか、と自分のなかで考えながら、最後はデータよりも、と思いました」
ACLは今大会から秋春制で行われていて、日本における昨シーズンの後半に行われたグループリーグでは、6試合のうち5試合で一森がマリノスのゴールマウスを守っている。ポープが言う。
「僕自身の出場は決勝トーナメントからになりましたけど、いろいろな人の思いが積み重なってここまで来られているし、そこに対しては本当に感謝しています。この大きな大会(の優勝)を取るか取らないかでクラブの今後も変わってくるし、そういうなかでもプレッシャーを楽しみながら、一方でどの試合に対しても優劣はつけずにやってきたので、大きな大会だからといって特別なことをするわけでもなく、本当にいままで積み重ねてきたことを愚直にやり続けるだけだととらえている」
ひと足早く準決勝を終えた西地区は、UAE(アラブ首長国連邦)のアル・アインが、3大会連続の決勝進出を目指した強豪アル・ヒラル(サウジアラビア)を2戦合計5-4で撃破している。
5月11日に横浜国際総合競技場で行われるファーストレグ、そして同25日に敵地で行われるセカンドレグへ。身長192cm体重89kgの巨躯に濃密すぎる下積みとしての経験と、さらに花開く伸びしろとを搭載したポープが、日本勢として4クラブ目のアジア王者へ王手をかけたマリノスを最後尾から支える。
(取材・文:藤江直人)